ブランクルーン - ﾌｪｲ･ﾙｰﾝ - (ページ5)

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❑旅の始まりページ5

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アーティファクトを探そう。

と、フェイの肩を黄名子と天馬が抱き上げた。驚いて瞬きしたフェイに、SARUが頬に手を添えて笑う。

「僕はここで待っているよ」

行っておいで。そう微笑んだSARUに、フェイは涙を振り払って強く頷いた。

「必ず、Aと一緒に帰ってくるから…！」

行くぞ！とワンダバに声をかけられ、キャラバンに雷門イレブンと共に乗り込んだフェイ。
心配そうな黄名子に、大丈夫！と微笑んでは、フロントガラスの向こうに広がる時空の波を見詰めた。

「Aが消える前に行って、止めることは出来ないんですか？」

空野葵が、アルノ博士へ問いかければ、それは難しいだろうな。と首を横に振った。
鬼道がそうだな…と、分かりやすく言葉を噛み砕いてくれる。

「あの時点で既に、Aが消える未来が確定しているんだ。消えてしまう要因であるインタラプトを変えないと根本的な解決にはならないんだ」

「それじゃ…私達はどこへ行けばいいやんね？」

黄名子の声に、言葉を失った。
Aが消えると確定したインタラプトがどこか分からない以上、無弓に時を飛んでも彼女を救うことは出来ない。

「1番確実な方法としては、A本人に確認すること」

フェイの言葉に、それなら！と顔を上げた天馬達へ。いやそれでは…と剣城が言葉を詰まらせた。

そう、

その本人に会えるかが、問題なのだ。

「ワンダバ、Aが存在するインタラプトは見付けられそう？」

押し黙ってしまったワンダバに、フェイの表情は陰っていく。
ひとまず、雷門に戻ろう！天馬の声に、フェイは眉を下げて頷いた。

雷門へ戻れば、懐かしいサッカー棟へと何とか足を進めていく。

“フェイ！”

声が、聞こえた気がした。振り向いては、夕暮れに染まるグラウンドに居るはずのないAの気配を感じた気がした。

込み上げた涙を押しこらえては、手を握り締めた。

「こんな力…！あったって何も役に立たないじゃないか……！」

何がセカンドステージチルドレンだ！SSC遺伝子だ！
大切なものを守れないで、何が…！

強く、掌を握りしめては、溢れる涙は土を濡らしていく。

「…必ず見付けるよ」

サッカー棟へと、グラウンドに背を向けたフェイは1歩、踏み出していく。

「ワンダバ、僕とAが出会った日は見付けられる？」

扉が開くや否や、フェイはワンダバへと駆け寄って瞳を震わせた。

「まさか、フェイ…！？」

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