ブランクルーン - ﾌｪｲ･ﾙｰﾝ - (ページ29)

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❑協力ページ29

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鉛のように重たい体を起こしたフェイの傍らにまるでAの瞳のようなクロノストーンがそこに。

「おはよう、フェイ」

カーテンと共に、髪を風に揺らしながら微笑む天馬に、頬に伝った涙を拭うフェイは優しく微笑んだ。

「おはよう、天馬」

嬉しそうに微笑む天馬に、安堵したフェイは掌のクロノストーンへと視線を落とした。

天馬、これって。と呟けば、天馬は隣へと座り嬉しそうに手を広げた。

「Aだよ！SARUから託されたんだ」
「…SARUから？」

あの日、Aがクロノストーンになっていたなんて。
知るはずもなかったフェイは、掌で小さくなってしまったAを見詰めた。

「…ここに、居るんだね」
「うん…居る。Aはまだ消えてない」

クロノストーンに、天馬の手が重なる。
温もりに、目の奥がじんとしてまうフェイは顔を伏せてその熱を耐える。

「どうしたらAを助けられる？僕はもう…わからない」

Aが消えてしまうインタラプトが見付からないんだ、そう俯いたフェイに、天馬はフェイの肩へと手を添えて揺らした。

ライトグリーンの髪が揺れた。

「大丈夫！なんとかなる！」
「…天馬、」
「SARUが言ってた。Aが消えた条件を探そう」

Aが消えた条件。
復唱し、何か大切なものを見落としていることに向き合う。

その瞬間、扉が2、3回優しくノックされ木野の声が。
「剣城くん達よ」と、天馬は元気に扉を開けば、そこに立っていたのは共に旅をした仲間。

「剣城！信助……それに、」
「神童先輩！やっぱり頭脳派の力が必要だと思って」

得意気に胸を張る天馬にフェイは思わず吹き出して笑う。
頭脳派という括りで呼ばれた神童が、困った様に眉を下げて微笑む。

「事情はワンダバからも聞いたよ。フェイ…よく1人で頑張ったな」
「…これからは俺達も協力する」

神童と剣城の言葉に、フェイはやっと、肩の力が抜けられたのだろう。

「まず、状況の整理からだよね！」

信助の言葉にフェイと天馬は目を合わせて頷いた。

「インタラプトになりそうな事柄はあったのか？」

神童の言葉に、首を横に振ったフェイはただ1つ疑問に思ったことを言葉にした。

「Aが消えてしまうと、伝えたのは僕だったんだ」
「…どういう事だ？」

クロノストーンを見つめ、フェイは声を振り絞るように状況を伝えていく。
自分が、Aへ「消えてしまう」事を伝え、それを聞いたAが心を決める。それが、確定していた。
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