ブランクルーン - ﾌｪｲ･ﾙｰﾝ - (ページ25)

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❑そよ風と運命の出会いページ25

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「……え？」

宙に浮いた少女に、目を点にして不思議そうに見詰める天馬。

クッションから天馬を覗いた少女は、ほっと胸をなで下ろして右手をそっと振る。
その瞬間、天馬の足元から声がした。

「え？な、なんだ……？！」

動揺の声に、天馬も目を丸くしては首を傾げる。
今度は何だ。そう思っている間に、目の前の少女と目が合った。

少女は少し首を傾げては、思い出したようにそっと。
人差し指を自身の消えてしまいそうに淡い唇に添わせては、“しー”と、天馬へ合図をした。

よく分からないまま、天馬は断崖絶壁の唯一の通路にゆっくりと腰を下ろした。

「よかった…」
「肝が冷えたぜよ」
「流石は信助のジャンプ力だ」
「へへっ」

安堵しては、先程の少女の事を振り返る。
隠れる場所等どこにも無いはずなのに、少女の姿は幽霊のように消えてしまっていた。

「今、そこに女の子が……」
「そこって、空中にか？」

天馬が指した場所は、ど真ん中。つまりは、通路と呼ぶ道も、対面の断崖絶壁へ繋がる橋もない場所。

「とにかく今は急ごう！」

フェイの声に、梯子を登り対面の道から覇者の聖典へと向かう。
警備用ロボットが作動しないように道を回って。

覇者の聖典へと辿り着いた。

覇者の聖典の防護システムを解除したものの、赤外線センサーまでは解除が及ばず、フェイは苦戦する。
早くしないと警備ロボットが来てしまう、と急かす天馬はセンサーを見つめて。

「俺が取りに行く！」
「天馬！」

センサーを完全に見切った天馬は綺麗にセンサーを交わしていく。
帰り道、バランスを崩し覇者の聖典を落としかけた天馬は、地面スレスレでフェイへと投げる。

その瞬間、赤いランプが光る。

警戒灯が作動した。

警備用ロボットが直ぐに追いかけてきては、赤色のランプに危機感を煽られながら、出口へ向かう。

誘い込まれたような出口に、ひたすら真っ直ぐ突き進む。

何とか、開けた場所へ辿り着いたフェイ達。
出口のロックをしたフェイが気付いた頃には、天馬を含めた5人はフィールドに隔離されしまっていた。

唯一の出口は、この空間で「サッカーバトルで点を制す」その道しか無かった。

サッカー用ロボットとはお世辞にも言い難い、電磁波を纏ったロボットとサッカーバトルを始める。

心配そうに見守るフェイに、試合は難色を示した。

けれど、天馬の『化身アームド』の力を持って、1点を制し出口へと駆け抜けていった…。

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