夢のドリームマッチ。 ページ43
「ああ。ちゃんと、Aにユニフォームを受け取って欲しくてさ」
響木さんをみれば、頷いてくれた。
エイリア学園との試合の時、予備としてあったユニフォームを借りた。
だから、私はユニフォームを持っていなくて。
「Aとの出会いも大事な出会いの1つなんだ」
円堂の言葉に、顔を上げた。
河川敷で1人ボールを蹴っていた円堂の姿を、今ならはっきりと思い出せる。
土だらけになって、私がボールを蹴れば嬉しそうにボールを取りに駆け寄ってきた円堂の姿。
一緒に泥んこになって、1度も笑えなかった私にずっと。
笑いかけ続けてくれた円堂は、日が沈んだ中、手を差し出して言った。
“また一緒にサッカーやろうぜ”
「ほら！着替えてこいよ！」
「うん！」
春奈ちゃんから受け取ったユニフォームを手に、部室へと急いでいく。
「あ、始めててください」
「おーう！」
部室につけば、突然揺れ出して。
ちょっと怖くて外を覗き込めば、なんだか門に既視感のある大きな…車？車だったけあれ…。
あ、着替えよう。
ふと、部室の壁に飾られた写真を見詰めた。
本当に色んなことがあった。
サッカー部がないから、なんて理由で雷門に入学して。
目が合った瞬間大きな声をあげて、駆け寄ってきた円堂。
ボールを強引に押し付けて、サッカーやろうぜ。って嬉しそうにして。
変な人が来たって思って全力で逃げ続けたけど、根負けして名前を覚えたんだよなあ…。
同じクラスだった秋が、見兼ねて助け舟を出してくれるようになって。
そんな2人が部室を掃除するんだって言うから気になって。あれから3年。
退院して戻れば、部員が増えていて。
変わらずにサッカー部に誘う円堂に、半ば折れる形で入部届けを出した。
「懐かしいな…」
ユニフォームに着替えて、ゆっくりと部室を見詰めては、駆け足でグランドへと向かった。
「お待たせ！」
「あ、A」
あれ。観客席に座る、ちょっと怖い制服の方々。
誰だろう？と首を傾げていれば妙に、見た事のある髪型をした男の子。
「あいつ……また俺の事忘れてんじゃねぇだろうな」
「お前の事忘れるような奴がいるのか？あ……Aなら有り得る」
視線を感じて、とりあえず笑って手を振った。
あ、不動さんと佐久間さんだ。よかった、わかる人いた。
グランドでは、2つの雷門が一進一退になって。
お互いが1歩も譲らずに攻めあっていた。
皆、楽しそう。
「私もサッカーやりたい！」
「ええ、私も…！」
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守羽(プロフ) - 豪炎寺さとみさん» コメントありがとうございます！もう少しだけお付き合い頂けたら嬉しいです…！ (2022年10月10日 16時) (
レス) @page44 id: d0d25ba477 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺さとみ - 終わっちゃうんですか (2022年10月10日 13時) (レス) id: 507e2dc598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楸 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hisagi/
作成日時：2022年10月2日 22時
