#8 ページ9
side kei
あーあ。
高木はこういう時勘が鋭すぎんだよ。
「伊野尾くん、だってこの調子じゃ…
少しは自分の体の心配もして?」
「迷惑、かけたくない。
だから言わないで。高木も、俺も、何も見てない。」
そうやって淡々と話す間に、俺は無意識で涙を流していた。
輪郭をなぞるように流れる水滴。
「伊野尾くん…分かった、誰にも、言わないっ…」
そう言った時の高木の顔はいつになく悔しそうで、俺は少しだけ自分の言ったことを悔いた。
でも、こうなったら、もう隠し通すしかない。
.
.
「すいません!道に迷っちゃって」
笑い飛ばして位置につく俺、
まだ悔しそうな顔で俯く高木。
「それでは本番いきまーす!3.2.1…」
ディレクターさんが手を振り下ろしたのと同時に、スタジオ内のいくつもの音響機器から音楽が流れる
踊って、歌って、順調に収録はおわる。
はずだった。
「っ…!」
曲の終わり、
俺を激しい頭痛と吐き気が襲った。
俺に残されたのは、最後のワンフレーズ。
もってくれ、おれ。
136人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
syuri(プロフ) - かのさん» めっちゃ嬉しいです!ありがとうございます。更新頑張りますね! (2018年8月3日 21時) (レス) id: 6144f4462e (このIDを非表示/違反報告)
かの - 続きすっっっごく気になります!! 読んでてドキドキします!更新頑張ってください!応援してます!! (2018年7月28日 7時) (レス) id: 9c84d691f0 (このIDを非表示/違反報告)
syuri(プロフ) - きなこさん» いやもうね、瑛治くんしか出てこんかったwww丁度いいかなーと思ってwww (2018年6月9日 18時) (レス) id: 6144f4462e (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - ちょまwwwwww 誰かと思ったら瑛治くんwwwwwwwww (2018年6月9日 18時) (レス) id: 32cee10fb7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しゅり | 作成日時:2018年5月2日 19時