桜、咲いたよ。[tk×in]

#33 ページ34

side yuya

きっかけは、ネットニュースだった。

俺たちの関係が、バレた。

幸いなことに、そのニュースは噂程度にしかならなかったし、事務所やメンバー、マネージャーさんにバレることはなかった。

けれど、

それを境に、俺や有岡くんへのつきまといは悪くなる一方だった。

だから。

｢ねぇ、有岡くん？俺ら…｣

有｢嫌だ！俺は、メンバーにバレたって、世間にバレたっていい！！｣

｢でも、それじゃあ、有岡くんの生活や仕事に支障ができちゃうし…｣

有｢そんなの、そんなの気にしない！｣

｢別れ、よう。｣


好きになったのは、いつだろう。

俺はメンバーと関わろう、なんて全く思ってなくて楽屋でも1人でぼーっと雑誌読んでたり。

そんな俺に、ずっと関わろうとしてきたのは、有岡くんだけだった。

最初はもちろんウザかった。だけど、その太陽の優しさを知るうちに、俺は、好きになった。


有｢っ…高木、最後に、キス、して…？｣

｢うん。大貴くん、目、つぶって。｣

有｢初めて大貴って呼んだ。雄也。｣


それが、俺たちの、最初で最後のキスだった。

ほろ苦い味がした。

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