桜、咲いたよ。[tk×in]

#32 ページ33

side yuya

｢そうだね、俺の自分勝手…｣


．





．





．


ーー数年前


俺には、彼女がいた。

年下で、元気で、人懐っこい彼女が。

だけどそいつは、

男で、メンバーだった。


有｢高木！｣

｢有岡くん。｣

いつも通りの眩しい笑顔で俺に駆け寄ってくるのは、有岡くん。

俺の、彼女。

有｢今日はどこいく？｣

｢決めてない。どうする？｣

有｢た、高木のいえ…行きたい…｣

顔を真っ赤に染めた有岡くんは、俺の袖を引っ張って、もじもじとする。

｢うん、いいよ。｣

また彼の顔はパァっと明るくなる。

その笑顔が、俺は好きでたまらなかった。



｢いらっしゃい。｣

有｢ここが高木の部屋かぁ…なんかふつー｣

｢そりゃ普通だろ。｣

入ってそうそうに人のベットに飛び込む有岡くん。

あー、せっかくシーツ綺麗にしたのに。

有｢あー高木のにおい。すき。｣

｢俺も好きだよ。｣

彼の顔に近づいて、少しだけ笑って言ってみた。


このまま、この関係が永遠に続くんだろうな。

なんて思ってた。

#33→←#31

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す