桜、咲いたよ。[tk×in]

#12 ページ13

side kei

｢で、何する？｣

｢…！
ドライブデートしよ！3時間あれば充分でしょ！｣

｢目的地は、どこでもいい？｣

｢うん！高木といれればそれでいいから｣

｢ん、おっけ。｣

そう言うと、すぐに準備して、部屋の鍵をかける高木。

駐車場まで階段で降りると、慣れた感じで助手席のドアを開ける。

｢なんか、慣れてる。いつもはこんなことしないのに。｣

｢だって、久しぶりのデートだからね。｣

運転席に乗って、ハンドルを握った高木は、俺の方にほほ笑みかけて車を出した。


車の中で流れるのはもちろんJUMPの曲。
ほんとにメンバー愛が強い。強すぎて嫉妬しそう。

そんなふうに窓の縁に頬杖ついて外を眺めている。

見知らぬ場所で高木が車を停める。

｢ちょっと、待ってて。｣

それだけ言って高木が駆け込んだのは花屋。

花束でも買う気？

ぼーっとしながら、色とりどりの花をながめる。

｢伊野尾くん、お待たせ！｣

思いっきり笑った高木は俺の頭に手を伸ばす。

つい、目をぎゅっとつぶってしまう。

｢…？｣

せっかく近くで顔が見れるチャンスなのに、なにやってんの、おれ。

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