桜、咲いたよ。[tk×in]

#11 ページ12

side kei

光｢てかさー、高木、いのちゃんのこと好きなんじゃない？｣

｢好き…ん、んなわけないでしょ！｣

右手には、肴。
左手には、酒。

光｢わかんないよ？高木、男もイケそうじゃん？｣

目の前の光は、笑って話してるけど、

俺、笑えません。

｢光、変なところで鋭い。｣

ーおとといー

｢泊まる？ダメに決まってるでしょ！体調崩してるんだから、家で薬飲んで寝る！病院も行け！｣

｢高木、かーちゃんみたいに小言が多い。おネエ！｣

｢おネエじゃねえからな！｣

駐車場で車を降りると、見慣れたアパート。
俺が泊まりたいって言ったら、無言で部屋の鍵開けて入ったから、

(これは、お泊まりパターン！)

とか思ったらこれ。

｢夜の6時には帰ってもらうからな！｣

｢えー、つまんないの。
だって高木最近全然あれしてくれないんだもん。｣

｢伊野尾くんの体調が治ったら…いっぱいしてあげる。｣

耳元でそう囁かれて、つい顔が赤くなる。


時計の針は、午後3時。


今にも咳が零れそうなのは、ないしょね。

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