ポートマフィアの開かずの間

#9 ページ9

太宰side 過去


彼女に初めて会ったのは、数年前

特別可愛いというわけでもなく、


墨のように真っ黒な瞳と髪、不健康で陶器のように白い肌

どちらかというと不釣り合いだった




これは、出会った頃の話


_____________



最初は首領に呼び出されたことから始まった



太宰「その部屋へ入れと?」

森「君にしか頼めなくてね、お願いするよ」


太宰「わかりました」



・



まず、部屋の存在自体知らず

たどり着くまでに時間がかかった



扉はボロボロで焦げて黒くなった場所や、

不自然にへこんだ場所が数か所あった



顔をしかめながらドアノブに手をかける


目に見えない何かが割れたかのように

扉はあっさりと開いた。


私以外は目を見開いて驚嘆していた




・




薄暗い部屋、扉からの光が差し伸びる

奥には人影が、


『誰!?』


その声に私は歩く足を止める



『来ないで!!なんで開いて...』

太宰「ここは私だけにしてもらってもいいかな」



えらく興奮しているようで、話ができそうな雰囲気ではなかった

後ろにいた傍観者達へそう言い残し、扉を閉めた



・



6間ほどの部屋で、とても薄暗い

女の子は部屋の隅で殺気が分かるほどの警戒をしていた



太宰「君の名前は?」



何気ないように聞く

だがその子は、目に涙を溜め叫ぶように言った



『私の名前は渡さない』





何にも無いようで濃い、Aとの出会い

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