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川「六十三話目だ。」 ページ20

目が覚めると其処は………。
暗い倉庫ようだった。
躯は椅子に縛り付けられていて身動きが取れない状態だった。

川「目が覚めたか。」

綾「最悪の目覚めだけどね。」

軽口を叩きながらも綾乃は相手の呼吸、動悸、仕草、視線、発言、服装を観察していた。

綾「それで、なんの為に私を拐ったのかな?」

川「………日向翔陽だよ。」

綾「………翔陽……だって?」

川「そう、俺は彼奴を誘き寄せる為にお前を拐った。」

綾「………判った、翔陽を私で釣ってから捕まえて翔陽で私を釣るのか。」

川「だがそれまでお前には聞きたいことが山ほどある。」

綾「私もあるよ、君に聞かなければいけないことがね。」

川「太宰綾乃、お前が初めて人を殺した時の事を話せ。」

綾「善いだろう、だが君にも話して貰うよ。」

此処からが死神と悪鬼の頭脳戦だ。

綾「私が初めて殺したのは父親だ、虐待されるのが厭になって。」

川「俺が初めて殺したのは友人だ、もう一人の友人と一緒にな。」

綾「ほう、もう一人の友人とは誰だい?」

川「お前だよ。」

綾「………何だって?」

川「俺はお前の友人だった、そしてもう一人の友人は……否、もう二人の友人は俺達が殺した。」

綾「………………。」

綾乃は黙って川端をじっと見詰めている。
すると川端は綾乃の頬を殴る。

川「真逆忘れたなんて云わせねェ、お前の所為で彼奴は死んだ。」

綾「………痛いなあ…………でもお陰で思い出したよ康君。」

川「…………そうか、綾乃、もうひとつ、質問がある。」

綾「なんだい?」

川「何故殺した………?」

綾「それに就いては黙秘したいね。」

今度は硝子の割れる音がした。
川端の手には割れた硝子瓶の先端が握られており
綾乃の周りには硝子の破片が散らばっていた。
綾乃は頭から血を流し、綾乃のジャケット、ワンピースを紅く染めていく。
このまま血を流し続ければ血が少なくなりやがて死に至るだろう、明らかに致命傷だった。

綾「………善いのかい?大事な人質を死なせても。」

川「せめてお前の相棒を目の前で殺してやりたいが死んだら死んだで其処までだ。」

綾「あっそ、死ねるなら本望だけど綺麗な女性と一緒が善いなあ………。」

川「じゃあ俺が殺してやるよ。」

綾「人が厭だって云ってるから遣るなんて非道ぉい。」

太「六十……四?話目?」→←日「六十二話?」



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butterfly - 一万hit………?あざああああああすッ!!! (2018年12月15日 22時) (レス) id: 78aac5f523 (このIDを非表示/違反報告)
櫻夢 - 完結、此処まで付き合ってくださった皆様、本当に有難うございました。 (2018年11月4日 18時) (レス) id: a7ea16ccfe (このIDを非表示/違反報告)
パステル - 明日は晴れますか?→私の思いは晴れますか。日が沈みますよ。→さようなら、また会う日まで。 (2018年10月28日 14時) (レス) id: a7ea16ccfe (このIDを非表示/違反報告)
パステル - 中原中也の命日、あと一時間で終わる。← (2018年10月22日 23時) (レス) id: eeb37e86ec (このIDを非表示/違反報告)
パステル - 乱歩さん誕生日おめでとおおおおおおお!!!三期も名探偵としてがんばってくださああああああああい!!!! (2018年10月21日 22時) (レス) id: eeb37e86ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:櫻夢 | 作成日時:2018年8月17日 0時

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