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そう考えていた時。


ピンポーン


インターホンがなった。モニターを見れば私服の芥川がこちらを覗いていた。
 

私は外套を纏い、ポシェットとキャリーを持って玄関を出た。


『こんばんは、芥川君。先程ぶりですね。』


「あぁ…そのまま向かうのか?」
 

彼は私の持つキャリーを見て言う。


『えぇ、そっちの方が効率的ですので。駅までは下の方を呼ぶつもりですし。』


「そうか。では行くぞ、車を待たせている。」


彼は道沿いに止めてある車を指さす。


『あら、助かります。』


彼が歩き始めるのに続き、私も歩く。


彼は先に車の後部座席に乗り、私はキャリーを後ろのトランクに入れた。


そして彼とは反対の後部座席に座り、扉を閉める。


『あら、樋口さんじゃないですか。わざわざ車を出してくれてありがとうございます。』


運転席を見ればそこには、彼の部下である樋口一葉がいた。


「いえ、帰宅のついででしたので…。それに私は芥川先輩の部下ですので、これぐらいの事は当然です。」


彼女は仕事に対する姿勢もよく、上に対する態度も礼儀正しい。

珍しくマフィアには似合わない、常識人だ。


車がエンジン音を鳴らす。


景色が移動し始め、私は窓の出っ張りに肘をかける。


移動中はお互い疲れているため、会話は少なかった。


20分程走り続けた頃に、運転席から「到着しました。」と声が聞こえた。


シートベルトを外し、外に出る。車の後ろに回ってトランクからキャリーを出し、歩道に移る。


窓から顔を出す樋口が「では私はこれで」と言う。芥川は「ああ、ご苦労だった。」と一言。


私もわざわざありがとうと告げて車を見送った。


「では入るぞ。」


『そうですね。』

。→←。



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(プロフ) - 続きを楽しみにしてます!! (2021年4月4日 17時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
涼夏_Ryouka_(プロフ) - aoiroさん» 返信遅れました…(^^; そう言っていただけて嬉しいです!頑張りますね! (2021年1月15日 1時) (レス) id: 467693ef76 (このIDを非表示/違反報告)
aoiro(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってください (2021年1月12日 0時) (レス) id: 832b7f5fb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:涼夏_Ryouka_ | 作成日時:2021年1月9日 23時

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