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「んー。ここのケーキ美味しいねー!」
『全種類を制覇したいな』
「それは、お金の使いすぎ!」
大学近くにできたケーキ屋さんに友達と訪れて
ケーキを食べながら話す。
前回、目黒と来たときは行列ができて時間が
かかったけれど今は少し落ち着いている。
それでも若い子たちに人気で、女子校生の姿を
たくさん見かける。
「今度のテストやばいよねー」
『ほんとそれ。ただでさえ難しいのに』
再来週に控えた定期テストを前にして、気分は
複雑になっている。
「あの教授、絶対また難しいの出してくるよ」
『それは言えてるかも。さて、帰ってから勉強だ。
_____あれ?』
「ん?どうした?……あ、渡辺だ」
私と友達の目に入ったのは、ケーキを眺めている
翔太の姿だった。
顎に手を置いて真剣に悩んでいるように見える。
『翔太?何してるの?』
渡辺「ん?あれ、A」
声をかけると、ケーキを見ていた視線を私に変えた。
渡辺「あー。いや。ここのケーキ美味しいって
聞いたから買おうかなって」
出たよ、女子力男子。って思ったのは心に秘めておく。
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作者名:こころ | 作成日時:2020年9月20日 0時