チート能力を持った乙女ゲームの悪役王女になりました「イケメンとかヒロインとかチートとかどうでも良いから恋人のもとに返してくれー！！」 (ページ4)

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いつもの帰り道…？ページ4

もうすぐ冬本番がやってくる秋の季節。

吐き出した息が白く曇る寒さの中、一人の少女が立っていた。

名前を宮白怜奈。

成績優秀,スポーツ万能,容姿端麗を兼ね備え、名門と呼ばれる高校に通う少女。

彼女が立っているのは､特別頭が良いわけではない私立の男子校の前。

そこには彼女が愛する恋人が通っているのだ。

大「怜！」

怜「大也！」

大「ごめん、待たせた。寒かったよね｡」

怜「じゃあ、手繋いでくれる？」

大「/////も、勿論。」

付き合って一年ほど経ったカップルだが、お互いに良い距離で良好な関係を築いている。

何しろ、２人は出会ってお互いに惹かれ合い､両片想いを１年間続けてきた結果なのだ。

お互いの長所.短所を受け入れて、お互いに好きと伝え合った恋人の鏡とも呼べるカップルだった。

話さなくても、触れなくても、一緒の空間に入れるだけで満足する二人は心の中で早くも結婚の約束も決めている。

微笑ましいカップルだった。

怜「今日ね、調理実習があったんだけどさ、同じ班の祐介って子が卵潰しちゃって。凄いアワアワしてて可愛かったの。」

大「……それ本人に言った？」

怜「言ってないよ。私の中で一番可愛いのは大也だから。ﾆｺｯ」

大「//////////そんな事にゃい！…あ。」

怜「ふふっ、やっぱ可愛い。」

大「でも…。」

大也は怜奈の耳元で囁いた。

大「怜が１番可愛い。」

怜「///////////ふ、不意打ちは駄目！」

大「ほら、真っ赤なりんごみたいで、すごく可愛いよ。」

怜「あーもう。/////………好き。」

大「////僕も好き。」

２人の間に甘い空気が流れる。

繋ぎあった手と手の結び付きが強くなる。

お互いに幸せな気持ちになる。

いつも通りなら、それで終わりだった。

けれど、今日は違った。

２人を取り囲むように光の線が走り、魔法陣らしきものを作り上げる。

怜「な、何！」

大「怜！」

大也は怜奈を抱き締め、離さないように力を込めた。

魔法陣は光を増し、辺り一面を２人諸共光の中に消してしまった。

光が静まった頃、２人の姿はどこにも見えなかった。