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宝石などのキラキラとしたものをこよなく愛しており、そう言った類の物の蒐集が趣味。多種多様な宝石をコレクションしており、内訳としては自分で買ったもの、客人からの贈り物、誕生日などに貰ったもの、兄から貢がれたもの等々。普段は部屋に厳重な鍵をかけてしまっており滅多に持ち出すことはない。と、言うのはあくまで表向きの話。それはフェイクであり、実際のところは常に近くに置いて目を離さないようにしているのだ。そう、何を隠そう彼女が常に持ち歩いているくまのぬいぐるみこそが宝石ケースなのである。それ故にくまのぬいぐるみに触れられることを過剰に嫌がり、例え身内であろうとも触れられれば牙をむいて怒り狂う。
宝石の輝きを眺めていると自然と心が落ち着くらしく、家でも学校でも苦労人の立ち位置を確立してしまっている彼女にとって宝石は唯一の精神安定剤。声を荒げてしまった後などはこっそりぬいぐるみからお気に入りの宝石を取り出して眺めることで高ぶった感情を落ち着けようと試みている。
と、このように常識人といった側面が強い彼女であるがこれでも聖女の血を引く公爵家の令嬢である。生家の権威に見合うだけのプライドというものを持ち合わせており、自身や家族、友人等への侮辱行為はどれだけ些細なものであろうとも決して許さず、姉の生徒会長という立場や家の権威など自分に使えるものをすべて使い徹底的に叩き粒す。本当にくだらない子供の悪ふざけに対しても家の権威を持ち出すのは明らかに過剰であり、結局は彼女も公爵家の地位にあぐらをかいているのだと噂されることも少なくはない。しかし、どれだけ些細なことでもそういったことを許してしまえば「アリアネル・クシャナ・レフコース」の名は侮辱を許すものとして皆に軽んじられてしまう。そうなれば、自分だけでなく兄や姉の名にも傷を付けることになる。一族の名に泥を塗ることになる。そのようなことは決してあってはならない。彼女のそういった側面は、ひとえに大切な人達への愛により形成されているのである。
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作者名:白銀刹那 | 作成日時:2022年10月16日 22時