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【生い立ち】
「世界樹」と呼ばれる木を管理する村に生まれる。久方ぶりに生まれた「ウルズ」の名を継ぐものであった彼女は、村に伝わる風習に対して早くから懐疑的な見方をしていた。一族の者達が「世界樹」と呼び崇め奉るものが、ただの巨木にしか見えなかった。先祖だと伝えられる魔女「ウルズ」について書かれた資料を探しても、何一つ見つからなかった。
世界樹とは、ウルズとは一体何なのか。それを探り続けた彼女はいつしか村では浮いてしまっていた。すぐ下の妹が正しくヴェルザンディをまっとうしていることも、その状況に拍車を掛けていた。そして何より、村に絶大な影響力を誇る曾祖母──先代のウルズに疎まれていたことが一番の要因である。曾祖母は素直で疑うことを知らない妹を過剰に贔屓し、勘の良い彼女を遠ざけた。村で絶対的な力を持つ曾祖母に疎まれるということは、村のすべてを敵に回すと同義である。ハンネローレは孤独であった。
オ・コニキュラタ魔法魔術学校ではプロティース寮に所属。度重なる規則違反と暴力沙汰により、校内でも有名な問題児としてその名を轟かせていた。本人は学生時代について「やんちゃしていた」と語っている。十五年前の戦争の際は当初中立であったが、いつの間にか片喰の戦士団に首を突っ込んでいたらしい。
人間界から来た同級生が「ウルズ」を知っていたことをきっかけに、彼女の興味関心は人間界へと傾く。どうやらウルズとは人間界に伝わる女神様と同じ名前であるらしい。
なるほど、どうやら自分の探し求めてきた答えは人間界にあるらしいと気付いたハンネローレは進路を人間界課に決定する。当初は異界魔法族取締科に就職し人間界への合法な渡航権を勝ち取ろうと画策していたが、規則が厳しいと聞き及び断念。同課内の異界分断管理科へと進み今へと至る。
就職の際に勘当という形で実家を出ており、しばらくひとり暮らしをしていたが、妹が就職する際に転がり込んできて以来妹とふたり暮らし。つい最近もう一人の妹も転がり込んできたので現在は姉妹三人暮らしである。
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作者名：白銀刹那 | 作成日時：2022年8月4日 11時
