【z.m】ご縁チョコ (ページ1)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:156 hit

いっこめページ1

.

「はー…またやってしもた。期末テスト赤点ばっかり。」

校舎裏で今日返された古文のテストをずっと見つめている女がぽつんとひとり。テストを覗いてみると半分以上がぺけになっていた。

点数は案の定赤点。彼はこの点をとってしまったことで頭を抱えているそうだ。

古文は自信あったんやけどなぁ、と嘆くように誰も居ないはずの校舎裏で声を発する。

なーにを言っているんだこの女は。お前はがっつり理数系やろが。

「は〜！！痛ッッ…おま、それはないわ〜！普通人が落ち込んでるときに教科書で頭叩いてくると思うんか？？しかも教科書の角で？？お？？？」
「いやすまん！右手が勝手に疼いてお前の頭叩いてもーたんやって」

すまんすまん、と悪びれもなく手を合わせるこいつ。中学生のときからなんとな〜く一緒にいて、なんとな〜く！いつ間にか！同じ高校に入学して！な〜ぜか！同じクラス！…になってしまった所謂腐れ縁というものか。

名前は緑川望(みどりかわのぞむ)、私の神的なネーミングセンスのお陰でついたあだ名はぞむ。なにやら本人は気に入ってゲームで片仮名にして使っているそう。せっかくなら平仮名のまま使えや！！！！

「くぅ〜〜…ばちくそ痛いんやが？！えもうこれたんこぶ出来たわ慰謝料寄越してくださーい！金くれ金！」
「金の亡者で草」

はえ〜、私は本気で慰謝料をゾムに請求してるんですけど？？もう心も体もズタボロ…

「金はやれないけど…んーあ、それならほら」

ん、と言って私の掌に甘い匂いがする固形物を置いたゾム。まさか匂いのする時限爆弾？？？いやそんな非常識なことやるか？？でもゾムならやりかねない…どうしよう私死にたくないよマミー産んでくれてありがとう大好きちゅちゅ！！！！

「いい加減妄想終わった方がええんちゃう？」
「うぃす」

よくよく見て見たら5円玉…？いや、これは、小さいくせにめっちゃ美味しい5円チョコでは？！

「えまってゾムこれ5円チョコじゃん！！時限爆弾じゃねーのかよ」
「流石にそこまではせーへんわ」
「だよなごめん」
「帰り練乳バー奢りな」
「いや割とマニアックなとこ行くね？？知ってる人少なくないか？？？」

ガリガリ君の方がええかなと言われた。いや別にガリガリ君のが安いけど練乳バー半分こで分ける予定だったから別にいいよ！！！ここで賢さの違いが分かりますよ〜〜〜〜はい、私めっちゃ頭いい！！！！…

「ねえちょっとは反応して？？？」
「それはガチですまんかった」