トリプルフェイスを義父にもつ私は、なぜか救済することになる

応急処置 ページ3

〜Aside〜


とりあえず、応急処置をしておこう。

確か頭をぶつけた時は、頭を高くすればいいはず。

あと、出血しているから抑えて止血しなきゃ。



上着のポケットの中を探れば、財布と携帯とハンカチとちり紙が入っていた。

貴重品を常日頃から持ち歩いていてよかった。
カバンに入れたままだったら今頃爆発で全部吹っ飛んだだろうし。


私はそう思いながら正座をして萩原さんの頭を膝にのせて、出血している傷口のところをハンカチで押さえる。

一応このハンカチは洗濯したばかりで綺麗だろうけど、本当ならもっとちゃんとした清潔な布の方がいいんだろうけどないものねだりはできない。


処置を終えて、改めて萩原さんの顔を覗き込む。

萩原さんは、確か原作の七年前に亡くなっているはず。


でも、今は原作の五年前。

確かに日付は同じだけれど、なぜ死ぬはずだった年が変化したのだろう？


…………やっぱり、私や中也、敦君がいるからだろうか？

原作には存在しない異物が、この世界には三人も存在しているんだ。

何か、影響が出てもおかしくない。

実際に両親はいなくなってしまったし、降谷さんには義理の娘という原作にはいない存在が生まれてしまった。


それに、今回結果的に萩原さんを救済してしまったとすれば、余計に原作から離れてしまう。

そうなれば、これからのことが予想できない。

いったい、どうすれば…………。



そう考えていると、萩原さんが握っていた携帯の着信音が鳴る。

そういえば、今は考えるより救急車とか救助隊を呼んだ方がいい。







多分、この携帯の相手は原作通りなら＿＿＿＿





鳴り響く携帯を手に取って出れば、耳元に男性の声が響いた。



松田「おい、萩原！！無事か！？」



＿＿＿＿やっぱり予想通り、貴方なんだね松田さん。

携帯電話の相手→←変化した原作

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