検索窓
今日:8 hit、昨日:29 hit、合計:4,680 hit

黒色のチューリップを貴方に(7) ページ27

〜ユキside〜


ユキ「…………うう、ああああああ!!」


私は駆け巡る衝動のまま、私の腹の上に乗る茨木を突き飛ばした。


その瞬間、目の前が真っ白に染まり体が熱くなり痛む。

リクオと同じ白と黒の髪は完全な白銀へと変化し、額には小さな二対の角がメキメキと生え始める。


茨木「ッ!?…………へぇ、そっちの姿になれるんだな」
ユキ「せめて、痛みを感じずにあの世に送って差し上げましょう。…………あなたが、私を忘れてくれればよかったというのに」


完全に変化を終えた私を見た茨木の言葉に、私はそう返した。


もう隠すことはやめた。

そして、彼への迷いもここで断ち切る。

それが前世の私との別れであり、今の仲間たちへの想いだ。


茨木「!?……んだよ、覚えているんじゃねぇか!!」
ユキ「…………容赦などしませ……!?」
茨木「!?…………チッ」


茨木__茨木童子がそう言い、私が攻撃を仕掛けようとした瞬間だった。

私の横をすり抜け、水状の何かが茨木に襲い掛かったのは。


花開院「よォ、ユキ」


驚いていれば、そう背後から声をかけられ後ろを向けば黒衣を纏う男。


『花開院竜二』


クラスメートの花開院ゆらの兄であり、花開院本家直系の陰陽師の男だ。



ユキ「なっ、花開院の!?」
黒「ユキ様!!」
首無「お嬢!!」


私が驚けば、遠くの方で黒田坊と首無の声が聞こえてくる。

…………もしかして、援軍か助っ人なのだろうか?

まあ、私としてはこの姿を見られるわけにはいかないのだけど。


茨木「チッ…………おい、ユキ。お前は俺の物だ。絶対に逃がさねぇからな」


多勢に無勢とでも思ったのか、茨木童子はそう吐き捨て撤退していった。

それを見て、とりあえずはと思いながらも姿を元の状態に戻す。


ユキ「私の身は、私の物なのですが」
花開院「…………おい、ユキ。お前、あいつの物なのか?」
ユキ「あなた、話聞いていましたか?誰の物でもありませんよ」
花開院「ならいい。ユキ、お前は灰色だが白い光でもあるんだ。あんな奴に穢されるんじゃねェぞ」
ユキ「…………は?」


花開院竜二の言葉に、思わず彼を睨みつけてしまう。


何を言っているんだ、この男は。

灰色でもあり、白い光?

ちょっと、意味が分からない。



イタク「おい、無事か!!」
ユキ「ええ、なんとか」


意味を聞こうかと思ったけれど、イタクがやって来たことでひとまず本家に戻ることにした。

黒色のチューリップを貴方に(8)→←黒色のチューリップを貴方に(6)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

マリコ - あのすみませんもう10月になりましたのでリクエスト消化とセーラームーンリクエストを楽しみにしています。 (2021年10月4日 1時) (レス) id: bb49c1c365 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - マリコさん» 了解しました。 (2021年8月19日 14時) (レス) id: 49cde1a4d1 (このIDを非表示/違反報告)
マリコ - リクエスト消化を楽しみにしています。 (2021年8月19日 0時) (レス) id: ebba95fe77 (このIDを非表示/違反報告)
マリコ - 赤坂さんとヒロインがデートしてる最中にキメラアニマとヤラネーダも現れたらいちごちゃんとみんとちゃんとれたすちゃんと歩鈴ちゃんとざくろさんとまなつちゃんとさんごちゃんとみのりちゃんとあすかさんとローラーちゃんもヒロインの前で正体を明かしてあげてください (2021年8月10日 1時) (レス) id: 20944b82be (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - マリコさん» 了解しました (2021年8月8日 10時) (レス) id: 49cde1a4d1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小説ワンコ | 作成日時:2021年7月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。