黒色のチューリップを貴方に(2) ページ22
〜ユキside〜
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桜。
一面が桜。
茨木「おい、ユキ」
ユキ「なんですか、いば」
チュッ。
そんな、小さくて甘い音が辺りに響く。
大切な存在に呼ばれ、振り向けば抱きしめられた後口付けがふってくる。
ユキ「…………茨木」
茨木「…………いいだろ」
恋仲の男__茨木をたしなめるように言えば、卒塔婆で覆われていない右半分の顔が不満げに歪む。
…………あなたは幼子ですか。
恋仲の愛おしい表情を見ながらも、思わずそう思ってしまう。
不愛想で暴力的で好戦的。
そんな一面を持つ彼だけれど、何故か恋仲である私の前では静かである。
でも静かでも向けられている仄暗い独占欲を感じていれば、私は彼に対して不安に思うことはない。
ユキ「…………はぁ、そういうことは部屋でしてください」
茨木「…………チッ」
彼の口元を抑えていた手を取られ、何度も口付けをされる。
そんな彼に言えば、舌打ちを一つしたかと思えば私のことをあっという間に抱き上げてしまう。
…………こういうところが、暴力的だと言われてしまうのだろうか?
ユキ「…………だからって、部屋に連れて行くのですか?」
茨木「お前は俺の物だろ」
愛おしい茨木にそう言われ、思わず苦笑してしまう。
こういう時に、彼の片方しか見えない瞳に独占欲の色が揺れる。
これを見て愛おしいと思ってしまう。
そんな私も、かなりどうかしているのだろう。
恋は盲目というけれど、まさか愛を知らなかった私がそうなるとは思わなかった。
ユキ「…………昼間なのですが」
茨木「関係ねぇなぁ」
ユキ「…………まったく」
願わくば、彼に置いていかれないように。
彼を置いていかないように。
____死ぬ時も一緒ですよ。
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マリコ - あのすみませんもう10月になりましたのでリクエスト消化とセーラームーンリクエストを楽しみにしています。 (2021年10月4日 1時) (レス) id: bb49c1c365 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - マリコさん» 了解しました。 (2021年8月19日 14時) (レス) id: 49cde1a4d1 (このIDを非表示/違反報告)
マリコ - リクエスト消化を楽しみにしています。 (2021年8月19日 0時) (レス) id: ebba95fe77 (このIDを非表示/違反報告)
マリコ - 赤坂さんとヒロインがデートしてる最中にキメラアニマとヤラネーダも現れたらいちごちゃんとみんとちゃんとれたすちゃんと歩鈴ちゃんとざくろさんとまなつちゃんとさんごちゃんとみのりちゃんとあすかさんとローラーちゃんもヒロインの前で正体を明かしてあげてください (2021年8月10日 1時) (レス) id: 20944b82be (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - マリコさん» 了解しました (2021年8月8日 10時) (レス) id: 49cde1a4d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小説ワンコ | 作成日時:2021年7月11日 20時