鏡花の決意と謎の二人 ページ40
(続)
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「!・・・判った」
美月の言葉を瞬時に理解した鏡花は、そのまま紅葉から差し出された手を取る。
『川村さん・・・』
「・・・大丈夫」
先程の会話を聞いていた優花は、唾を飲み込んで並んで歩く二人を、心配そうな表情で美月と共に見詰める。
その時、鏡花がふらりと紅葉に近づいた。
「・・・!!」
滴り落ちる、赤。
それは鏡花から向けられた、短刀によって出来た怪我によるもの。
紅葉がもう片方の手を動かして直ぐ、彼女はフワッと身軽に飛び、距離を置いた。
「流石じゃ・・・鏡花。まるで殺気を、感じなんだ」
紅葉にそう云われた鏡花は、ある物を掲げる。
それは、自身の携帯に繋がる携帯。
《あの人の携帯を奪って。敦君は私達が守る》
彼女は云われた通りに携帯を奪った。
美月はそれを確認した瞬間、優花と共に敦を安全な場所に連れて行く。
_______用意は出来た。
後は、覚悟を決めるだけ。
「明るい世界を見た。知らなかった頃にはもう戻れない」
「・・・それを使うな、鏡花。使えばそなたは」
震える身体、夜叉への恐怖。
光の世界へ行くために。
それら全てを抑えて、彼女は叫ぶ。
「夜叉白雪、私の敵を倒して!!」
その頃、中華街の裏路地にて。
大型の黒いキャンピングカーが、電柱にぶつかったのか、煙を上げている。
その直ぐ隣に、二人の男が居た。
「僕のロシナンテ号が・・・もうここで寝ていい?」
二人のうちの一人、ハンチング帽を被る農家風の青年が、愛車が壊れたことへのショックか、うつ伏せでそう云った。
「目的地まで・・・歩くしかない」
「この国は道狭すぎだね?」
もう一人の長髪が目立つ男が、辺りを見渡している間、青年は勢いよく顔を上げる。
彼等がいる区画は、周りと四十五度道がずれているうえ、交差しかなり幅が狭い。
言動から、キャンピングカーを運転していたと思われるこの青年は、それを判っていなかった様だ。
「は・・・早く終わらせて・・・帰りたい。外出は・・・四年振りだ」
「まぁいいや。行こう」
聞こえるか聞こえないかぐらいの声で、ブツブツと喋る長髪の男に、青年がハンチング帽を被り直して立つ。
「『
彼等の正体は。
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい! (2019年2月18日 16時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん!あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き!賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・!そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは? (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね!ただの本好きさんの推しは誰ですか? (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから! (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの本好き | 作成日時:2018年11月4日 14時