たえまなく過去へ押し戻されながら 三 ページ15
(続)
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「あらもう嫌だわ、こんな沢山の方たちに見詰められて。あたし初対面の方とお話しするの苦手なの」
赤毛の少女は服を靡かせ、喋り始める。
歯に付けられた矯正器具がキラリと光った。
「でも駄目ね、ちゃんと説明しなくちゃあ。
皆さんお困りだわ、きっとすっごくお困りだわ。
だってこんな見知らぬ所に突然連れてこられたんですもの。あたしだったら心臓が飛び跳ねて______」
「ナオミは何処だ」
先程云っていた事とは正反対に、ベラベラと話し続ける少女。
そんな彼女に、谷崎の怒気を含んだ声が向けられた。
「あらご免なさい、その説明が最初よね。
探偵社の皆さんはあちらよ」
そうして少女が手を向けた扉を見れば、ナオミ・賢治ほか数十名の人質が。
全員異能であろう無数の手に身体を掴まれている。
「賢治君!ナオミ!」
「鍵なしでは開かないわ。開くのはあっち」
谷崎が扉のノブをガチャガチャと引っ張る間、そう云われ全員がそちらに目を向ける。
「外の景色が・・・静止してる」
『・・・本当だ』
優花が扉に近づき覗けば、そこには時が止まった様に動かない人々が。
"これが彼女の異能・・・実際見ると凄いな"と扉を離れ、優花は思う。
「あたしの名前はモンゴメリ。
ここはあたしの異能力で作った創った空間なの。
でも安心なさって、そのドアから誰でも出られるわ。お仲間を取り返したくなければですけど」
「如何する心算だ」
「簡単よ、この部屋のアンと遊んで頂きたいの。
アン、いらっしゃい」
そう彼女が云えば、空間から無数の手と共に、少女______モンゴメリに似た"何か"が出て来た。
______ルーシー・モード・モンゴメリ
能力名【
「アンは遊ぶのが大好きなの。少し甘えん坊だけれど、可愛いのよ」
モンゴメリがそう話すのとは逆に、一般人は怯え、
最後には悲鳴をあげて出られる扉から出て行った。
______残ったのは、四人だけ。
「此処は危険です、逃げた方が佳い」
「女の子を捜して居るんだ。天使の様に可愛い子なのだよ、何処かで見なかったかな」
「いえ・・・残念乍ら。優花ちゃんは?」
『・・・へ?』
敦が白衣の男に見せられた写真。
優花はそれと二人を交互に見た。
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ただの本好き(プロフ) - 番外編を作りました。宜しければリクエストご応募下さい! (2019年2月18日 16時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - 私は太宰さん!あと、ドストエフスキーさんとか、中也も大好き!賢い所とか強い所に惚れちゃったです(////∧////) (2018年12月5日 0時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» お返事遅くなって申し訳ございません・・・!そうですね、文ストのキャラは皆魅力的なのでとても迷いますが・・・選ぶなら新旧双黒ですね。あの四人のやり取りが面白くて好きです。Touaさんは? (2018年12月4日 19時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
Toua(プロフ) - ただの本好きさん» 確かに、双黒の戦闘シーンとかは最高ですね!ただの本好きさんの推しは誰ですか? (2018年12月3日 21時) (レス) id: 704eb57210 (このIDを非表示/違反報告)
ただの本好き(プロフ) - Touaさん» 私は全部好きです。アニメでは確かに漫画や小説ではある所が省略されてしまうけど、声があるし戦闘シーンでは絵や文章では味わえない迫力がありますから! (2018年12月3日 20時) (レス) id: 1d708256dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ただの本好き | 作成日時:2018年11月4日 14時