僕には全てお見通し6 ページ10
とてつもない事を暴露されそうになった私は、慌てて乱歩さんの言葉を遮った。
これ以上乱歩さんに口を開かせてはいけないと、私は悟った。
「え、今キスが如何とかって聞こえたけど」
太宰さんが何故か瞳を輝かせて、私を見つめる。
この人が瞳を輝かせる時は、決まって何か厄介事が起きるのだ。
「き、気のせいですよ、気のせい!ね!敦君!?」
額に冷や汗を滲ませながら、私は縋る様な眼差しで、敦君に同意を求めるよう促した。
「えっ?!あ・・・は、はい!きっと気のせいですよ太宰さん!」
私の無茶振りに、敦君は引き攣った笑みを浮かべて同意してくれた。
自分で振ったにも関わらず、何だか敦君が可哀想に思えてしまった。御免、敦君・・・。
そんな敦君を見ているのが耐えられず、視線を国木田さんに移す。
国木田さんは、私の視線に気付くと眼鏡をクイッと指で押し上げ、
「・・・案ずるな。俺は何も聞いていない。決して乱歩さんとアレをアレした等と聞いていないからな」
と明らかに同様を隠せない様子で言う。
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midori(プロフ) - すごくいいです!!頑張ってください!! (2017年11月26日 16時) (レス) id: 6061ae511d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テツ | 作成日時:2017年11月18日 23時