風邪にはご注意を (ページ9)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:23,002 hit

僕には全てお見通し5 ページ9

言われた通りに暖房の側に行こうとしたら、不意に背後から思い切り抱き着かれた。
「Aには僕が居るから暖房なんて要らないの！」
抱き着いてきたのは、乱歩さんだった。
「ちょ、乱歩さん？！人前で止めて下さい！後、風邪感染るんで、離れて下さい！」
私の顔が急激に熱くなったのは、風邪のせいか、はたまた乱歩さんに抱き締められているからなのか・・・。私には分からなかった。否、もしかしたら両方かもしれない。
「風邪なんて如何って事無い！Aと遊べなくなったりする方が、よっぽど厭だー！」
と乱歩さんは玩具を買ってもらえない子供の様に、厭だと私の背中に顔を埋め、駄々をこねる。
「ら、乱歩さん。Aさん困ってるんで一旦離してあげた方が善いんじゃ・・・？」
お茶を汲みに戻ってきた敦君が、おずおずと私の机にお茶を置いて言う。
「Aが困ってるわけないだろ！僕が何時も膝枕してって言ったら嬉しそうにしてくれるんだから！この間なんかキス・・・・・・」
「あァァ！！！！困ってないです！困ってないですゥ！！！！」

僕には全てお見通し6→←僕には全てお見通し4