第七百七十訓 ページ3
二人の頼もしい背中。
私は上司である二人の背中を仰ぎ見ながら子供のように…親鳥についていく雛の様にただ着いていってた。
今はその背中に、踵を返さなければならないけれど。
近藤「万事屋、てめーらとはなんやかんやで長ェ付き合いになっちまったな。だが俺達ゃ今迄一度だっててめェらに仕事を頼んだ事はなかった……
それがまさかこんな日が来る事になるとは…仲間を、しかも俺達の華を預けるなんざ想像さえしてなかったなァ」
『っ、近藤さ、』
今からでも縋りたくなってしまう。
待って、って。私も連れてって、って。一緒に来てよ、って。甘えん坊な心が出る。寂しいと胸が叫ぶ。
近藤「だが、もうてめェら位しか頼める奴は残ってねェ……てめェらしか……居ねぇんだ」
「こいつが真選組の最初で最後の依頼だ」
「万事屋」
「将軍様を、」
「Aちゃんを頼む」
…………狡く、ないか。
寂しいのに、苦しいのに、最初で最後とかまるでお別れみたいで悲しいのに。なのにそんな風に目の前で言われたら弱音なんて……吐けやしない。
ずずっ、と鼻を啜った。流れるはずの
「承った」
『！』
すると、銀時君がぽつりと一言だけ言葉を発してトシと近藤さんに背中を向けた。彼等も私達に背中を向ける。
そうして、互いが互いの目の前の道へと足を踏み出した。私の道は近藤さんとトシの二人とは違うものだけれど。
でも、今はそれでいい。もし生きてたら、最後二人をあったかいハグで迎えてあげるから。
新八「銀さん」
銀時「＿＿＿＿＿振り返るな」
だから背中で感じた後ろの二つの温もりには、振り返ってやらない。涙なんて流してやらない。
ぐっと唇を噛み締めればポンッと頭に銀時君の大きな手が優しく乗って。
銀時「
『っ、』
馬鹿、とそんな銀時君に心でぽつりと呟いた。
そんな事言われたら余計に泣けてくるじゃないか。女心ってもんを分かれよ。
銀時「そして安心しろ。お前が真選組と会うまでは、絶対に泣かせねぇ」
『……っ、ばかやろ。泣かないよ…！』
ー
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RENKA - 初コメ失礼します、感動しました号泣です涙止まんないです！！心がキュンキュンしました！！もうキュンキュン通り越してギュンってなりましたよ！← これはホント何回みても飽きないですマジで！！最高っす！！！ってことでちょっともう1回読んできますね(( (2022年7月5日 11時) (
レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 涙止まんなすぎてバスタオルで拭きました最高ですめっちゃ感動しました！！！！！ (2022年7月4日 21時) (レス) @page41 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - イルさん» 将軍暗殺篇はこれにて閉幕です、NEXTとしてはさらば真選組編ですね！！ハンカチのご用意を……w結構心理描写が精神的に来るものがあると思われますです……更新頑張ります！将軍暗殺篇ありがとうございました！！ (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雑草のかきあげ（仮垢）さん» 最初からw！？！かなり長いですよ！？w大丈夫ですかほんと無理しないでねw！？！更新頑張りますw将軍暗殺篇ありがとうございました！！ (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - つなかんさん» いやこちらこそぎゅんぎゅんして頂いた様で(？)良かったです、更新ノロマですが宜しくお願いしますw！！ (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：実珠
| 作成日時：2022年5月3日 15時
