【銀魂】空から女の子が降ってきました。20

第七百八十四訓 ページ18

大方唆されたんだろう。





お前を将軍にしてやろう。
お前の気に食わない奴らは消してやろう。

お前の家臣(手足)だというのに、分際も弁えず主君のお前にそれ程の怪我を負わせた彼奴らを殺してやろう。





＿＿＿＿＿＿とでも。






(それが天導衆の操り人形にされるなんて分かりもせず。そしてそのまま天導衆の掌の上で踊り狂ったまま死ぬだなんて想像もせず……)






『っち……！』






どうする、このままでは将ちゃんが将軍から引きずり下ろされる。流石に天導衆相手じゃ歯が立たない。


それに将ちゃんだけじゃない。一橋派も襲われ、て……










(………………あれ？)










いきなり、冷水を頭からぶっかけられたかのような気分になった。頭だけは不気味な程冷静に働いてる。






(そうだ、そうだよ。奈落の部隊はこれで全部じゃない。一橋公の意向により一橋派だって襲われてるはずだ。現在進行形で)






なら、ならどうなる？将ちゃんだけじゃない。

将軍派も一橋派も襲われているというのなら、消耗しきった所を襲われているというのなら。







(あの時別れた、神楽ちゃんと神威は？)






(百地さんやトシや、近藤さんは？)






(自分達の信条をかけて戦ってる、私の兄弟子……高杉と銀時君は＿＿＿＿)










『…………ぁ、』









嗚呼＿＿＿＿よくない。



よくない、よくないよくない。気分が良くない。まるで脊髄に釘を打たれた様だ。背筋が冷たい。焦る。まるで氷を詰められたように。






(待て、待て待て待て。定々の一件の時に見た奈落三羽烏は？その一羽である＿＿＿＿朧は？)






ばっ、と辺りを見渡す。
だがあの濁った双眸は、白い髪はどこにも居なかった。


それにますます焦る。彼は松陽先生を知っている様だったしその弟子である私たちに複雑な感情を抱いてるかの様だった。






＿＿そんな彼が私の兄弟子達に、近づかない訳無い。











.













『……っ！！』





新八「！Aさん！！？」









だだだだっ、て。



気づいたらUターンをして銀時くん達と別れた所へ…抜け道の入口へと向かって走り出していた。






(まずい、まずい、まずいまずい)






抜け道を逆走し始めた。兄弟子たちの元へと走り出した。気付いたら体が動いてたんだ。薄暗い道を走りながらも歯を食いしばる。




信条をかけた兄弟子達の喧嘩に、横槍入れられるのはどうしても許せなかった。










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