第七百六十八訓 ページ1
百地さんを筆頭にしてただただ、走る。
走る。
走る。
後ろから逃げ惑う様に。前へと進む様に。将ちゃんを中心にして取り敢えず前へと走った。
すると、忍者屋敷の敷地内から岩壁へと続く大きな木製の橋へと足場が移る。
百地「……よく聞け」
『!』
そして私達がその橋を渡り始めるのを見計らった様にして、百地さんが少しスピードを落とし最後尾に入った。なんだろう。
……そのまま手裏剣を担ぎながら無表情で言葉を紡ぐ。
百地「ここから行った先の西の岩壁……摩利支天の彫像が飾られている。そしてその近くに里の者のみが知る抜け道がある」
『それって、伊賀を出るってことですか?』
百地「もうまもなく伊賀は落ちるだろう。そうするしか将軍を護れぬ。そなたらは将軍を連れ伊賀から抜け出すぞよ」
(抜け道、か)
発想自体はいい。だが……これを見抜かれてしまえば四面楚歌になってしまうのではないだろうか?伊賀は落ち、抜け道を抑えられたら今度こそ……
いや、そんな事言ってる場合じゃないか。
そうして震えそうになる足に喝を入れた時___
『っえ、』
ドンッ!と背中を誰かに押されて前へと体が傾く。急な事に驚きつつも何とか踏みとどまった瞬間___
______ゴッ、!!!!
『!』
百地さんが、モモちゃん……手裏剣を勢いよく下へと振り下ろし橋を真っ二つに切断してしまった。
私が立っているのは岩壁へと続く方の橋。前には戸惑った様子の万事屋の三人と将ちゃんが居る。
(いや、それよりだ。百地さんはなんで橋を切断なんか…もしかして夜兎達を一人で時間稼ぎするつもりか!?)
新八「も、百地さん!?」
百地「
『っ、やっぱりか……!』
駄目だ、無謀すぎる。確かに百地さんは強いしモモちゃんだって凄い。けど夜兎数十人を相手にするなんて流石に無理だ。しかも一人だなんて。
例えるならば死地に武器なく突っ込む様なものだ。生存率より致死率の方が明らかに高い。
百地「将軍様、最後までお仕えする事が出来ぬ事お許し下され」
茂茂「百地…!!」
嫌だよ私、百地さんの骸なんて見たくないよ?
ー
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RENKA - 初コメ失礼します、感動しました号泣です涙止まんないです!!心がキュンキュンしました!!もうキュンキュン通り越してギュンってなりましたよ!← これはホント何回みても飽きないですマジで!!最高っす!!!ってことでちょっともう1回読んできますね(( (2022年7月5日 11時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - 涙止まんなすぎてバスタオルで拭きました最高ですめっちゃ感動しました!!!!! (2022年7月4日 21時) (レス) @page41 id: 3103cb23ea (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - イルさん» 将軍暗殺篇はこれにて閉幕です、NEXTとしてはさらば真選組編ですね!!ハンカチのご用意を……w結構心理描写が精神的に来るものがあると思われますです……更新頑張ります!将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雑草のかきあげ(仮垢)さん» 最初からw!?!かなり長いですよ!?w大丈夫ですかほんと無理しないでねw!?!更新頑張りますw将軍暗殺篇ありがとうございました!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - つなかんさん» いやこちらこそぎゅんぎゅんして頂いた様で(?)良かったです、更新ノロマですが宜しくお願いしますw!! (2022年7月4日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年5月3日 15時