１０７話 ページ10
｢これ、この時代のオレがAに贈ったものなんだって｣
みんなが戻ってきた翌日、家事の手伝い以外は部屋に籠って考え事に没頭していた私の元にツナくんがある物を持って訪れた。
｢匣……どうして私にまで……｣
味方とはいえ近しい存在ではなかったであろうヴァリアーのスクアーロさんが知っていたくらいだ。
先頭に向いていない私にまでこんなものを贈るだなんて、この時代のツナくんは何を考えていたのだろう。
｢あっ｣と声を漏らして顔を青くさせるツナくん。
｢た、戦いに巻き込むとかじゃないから！ だからもし嫌なら全然受け取らなくていいし！｣
｢あ、いや、そういう意味じゃなくて……。うん、ありがとう｣
ツナくんは勘違いして、巻き込まれるのが嫌であんな発言をしたと思っているようだった。
頼りにしてくれるのさむしろ嬉しいのだが、私にその力が無いのが悩みの種だ。
｢休めるの今日までなのにごめんね、こんなことに時間使わせちゃって｣
メローネ基地での戦いで気力を使い果たした皆は、白蘭という人との戦いの修行に入る前に二日間しっかり休むことにしていた。
今日はその二日目にあたる日だったのだ。
｢そんなの気にしなくていいんだけどさ……｣
口ごもるツナくんを見たら明るい話題が出てこないことくらい容易に想像できた。
でも私は
となれば、入江正一から計画の全容を聞かされてしまったか。
違ったとして、貴重な休みをそんなのと言い切るくらいだ。
相当に重大な話なのは確定だろう。
切り出される前に部屋に戻ろうと思い声をかけて背を向けようとすると｢待って！｣と腕を掴まれてしまった。
｢あっ、えっと……なにか悩んでたりしない？｣
眉を下げるツナくんは私から話してほしいという風にもしていない。
計画のことはバレていないのだと内心ほっとした自分がいた。
｢しないよ｣
心配させないようにと笑いかけると、そこに京子ちゃんとハルちゃんが来た。
｢あれ、ツナくんもAちゃんに用事？｣
｢お取り込み中ならハルたちは後にしましょうか｣
ツナくんの緩んだ手をすり抜け、立ち去ろうとするふたりに｢もう終わったところ｣と駆け寄った。
ふたりはお昼の準備をするのに私を呼びに来たらしく、そのまま私たちは三人でキッチンに向かった。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
