１４３話 ページ46
｢えー！？ あの
ツナくんが驚くのも当然だった。
白蘭さんとは似ても似つかない、柔らかい微笑みを浮かべる私たちと同じくらい、変わっても二、三歳くらいの女の子がそう名乗ったのだから。
｢やはりお前のことだったんだな、でかくなったなユニ｣
｢はい。リボーンおじさま｣
おじさま……？
私たちのいた時代からここが１０年後。
正確には
ということはここでのリボーンくんは十一、二歳。
それに、大きくなったなとは？
未来のリボーンくんと同い年くらいの女の子に向かってかける言葉にはならないはずだ。
解決しきらない謎は十中八九、アルコバレーノが関係するのだろう。
詳しくは知らないがアルコバレーノが特別だということは分かるし、彼女の首にかかるおしゃぶりがなによりの証拠だ。
｢オレの知り合いの孫だ｣
そう紹介を受けて、ユニちゃんは改めて私たちに挨拶をしてくれた。
｢はじめまして、ボンゴレのみなさん｣
可愛らしい笑顔。
幼いのに、きっと私より年下なのに、どこか包容力を感じさせるその笑顔にとても惹き付けられた。
｢あー！ ツナさん赤くなってるー！｣
ハルちゃんに言われて見てみると、ツナくんだけでなく、笹川先輩も、山本くんも、ランボくんも、あの獄寺くんでさえ頬を赤く染めていた。
ツナくんしか目に入っていないのではないかと思うほどのツナくん信者である獄寺くんも、だ。
それほどユニちゃんの笑顔は魅力的だった。
｢ハハハッ。いやあ、びっくりしたなー。すっかり顔色もよくなっちゃって。元気を取り戻したみたいだね、ユニちゃん｣
｢病気でもしていたのか？｣
｢ちがうよ……白蘭サンの手によって……魂を壊されていたんだ。白蘭サンはブラックスペルの指揮権を手に入れるため、彼女を口利けぬ体にしたんだ……｣
｢人聞きの悪いこと言うなよ正チャン。ユニちゃんが怖がりだから精神安定剤をあげてただけだよ｣
｢いいや。あなたはブラックスペルの前身であるジッリョネロファミリーのボスだったユニとの会談で、無理矢理劇薬を投与して彼女を操り人形にしたんだ。そうだろ？ ユニさん……｣
白蘭さんは笑みを崩さないまま無言で目を少しだけ開く。
それが示すのはきっと肯定だ。
幼い少女にそんなことをするなんて、彼に良心というものはないのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 249人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
