１２８話 ページ31
その日の修業を終えて私はお風呂に浸かっていた。
私の他にも女子グループは勢揃いしていて、中立の立場にいる私は少し居ずらさを感じていた。
体を洗う京子ちゃんとハルちゃんはなんだかんだツナくんたちを心配していた。
｢あなた達はツナ達がすぐに降参すると思っていたみたいね。私はそうはいかないと思うけど……｣
髪についていた泡をシャワーで洗い流し、湯船につかないように高いところでまとめたビアンキさんはヒントを与えるように語りだした。
｢理由は二つね。一つはあなたたちに変わって欲しくないのよ。秘密を知ればあなたたちは今までのあなたたちとは違う人間になるわ。それを恐れてるの……気になる相手ならなおさらね｣
京子ちゃんたちは今まで何も知らずに、皆がどんな危険なことに首を突っ込んでいるのかを知らずに過ごしてきていた。
ここでも、過去でも。
ツナくんたちは何も知らない、平和な世界に生きるふたりのままでいて欲しいのだろう。
それは当然だ。
誰が自分の好きな人、友人を危険に巻き込みたいなんて思う人はいないだろう。
｢もう一つは意地ね｣
体を流し終えたふたりも湯船に浸かる。
六人横一列に並んで私たちはビアンキさんの言葉に耳を傾けていた。
｢あの子たちは女は男が守るものだと思ってるの……。あなたたちに禍々しい世界を見せないことに男のプライドをかけてるわ｣
｢気持ちは嬉しいですけど……ハルたちだって力になりたいんです。それを一方的に決める権利はツナさんたちにはないと思います｣
お互いがお互いを思っての衝突だからこそやりきれない。
事情を知っているクロームちゃんは何を考えているのだろうか。
横目でちらりとクロームちゃんを確認する。
｢……お先します｣
ちょうどその時、彼女は静かにお湯から上がった。
その背中が見えた時、そこには華奢な彼女の体には似つかわしくない大きな傷があった。
聞けばそれは今日の修業でできたものだと言う。
｢でもボスたちに比べればずっと少ないと思う｣
それを見て、聞いて、京子ちゃんたちは胸に響く何かがあったようで一時休戦を提案した。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
