１１５話 ページ18
｢だけど君があの人の所へ行くのはどうしても阻止しなければいけなかったんだ。時間停止なんて人の枠を超えた力、あの人が持ったら本当に勝ち目がなくなってしまうからね。そこで僕が考えたのが人工降雪計画……君のクローンを作ることだったんだ｣
ぐっと握りこぶしに力を込める。
爪がくい込むほど握ると、少しだけ怒りを抑えられたような気がした。
｢君の細胞を培養層に入れて、晴の炎の活性で成長を促す。君がリングを手にした年齢まで成長させるのに三年という期間しか要さない。人間がそんな急成長をしたらあちこちに弊害が出る。それに誰と触れ合うことも、歩くことすらしないまま成長だけしていくんだ。一般的な知識も体を支える筋肉もつけらずにね｣
｢クローンを引き渡すことで私は引き渡さなくてすむようにした、ということですか｣
｢白蘭サンを倒せればこの計画はなかったことになる。分かって欲しい｣
そうするしかなかったことは、皆が諸悪の根源だと瞳をギラつかせる白蘭という名が出た時点で理解していた。
しかし悪者をその人にしたら済む話なのか。
こんな計画のために大怪我を負ったという未来の私が、普通の生活すら出来ないというクローンがあまりにも救われない。
｢日本支部にもクローンがいると書いてありました。どこですか｣
｢培養層が置いてあった部屋は転送されてしまって今ここにはないんだ｣
状況を見ることすら叶わない。
部屋を転送するなんて考えられないのに、｢そうですか｣とあっさり諦めた私は心が疲弊しきっているのだろう。
｢仕方ないとか言われてもやっぱり納得できません。……ですが、入江さんを恨むのは筋違いというか、間違えだとわかりました。……すみませんでした｣
｢えっ……いや、こちらこそ本当にごめん｣
約束通り謝ると予想外だったのか大きく目を見開いた入江さん。
謝るなら他の打開策を見出して欲しかったがもう何も言わないことにした。
｢確認だけさせてください｣
｢なんだい？｣
｢白蘭という人を倒せば計画は止まり、私たちは過去に帰れるということで間違いないですか？｣
それだけで本当に終わるのか。
よく分からないのに嫌な予感がしていた。
｢ああ、それだけは自信を持って言えるよ。僕がボンゴレ側に寝返った時点でこの計画の最高責任者は白蘭さんになったからね｣
この時した嫌な予感。
それは杞憂でもなんでもなかったのだけれど、私はこの人の言葉を鵜呑みにしてしまった。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
