１０９話 ページ12
｢あのさ｣
白蘭という人のこと、計画のこと、過去に戻れるのかということ。
色んなことで頭を悩ませていたら、いつもの笑顔と比べると少しぎこちない笑顔を浮かべて山本くんはこちらを向いた。
｢ツナになんか言われなかったか？｣
思い当たるのは今朝の会話。
突然私の部屋を訪れたあれだ。
｢言われたっていうか、これを渡されたよ｣
鞄にしまっていた匣を取り出す。
それを見せると｢他には？｣と今度は取り繕うことなく、真剣な顔で問われた。
｢悩みごとあるか聞かれたくらいで何もないよ｣
｢……それさ、オレが気になってたことなんだ｣
本命の話題が出されて食いつきを見せた山本くん。
ああ、なるほど。
この話に持っていくためにそんなことを聞いたのか。
別行動は悪手だったかもしれない。
｢この時代は色んなことが起こってるだろ？ 小村は平気なんかなー……って思ったりしてさ。話そうとしても避けられてるみてぇに全然会えねぇし、メシの時もさっさと食って行っちまうし｣
そんなに気遣ってくれていたのか。
嬉しいような、切ないような、どんな顔をすればいいのかわからない。
｢悩みごとなんてないよ｣
くすくすと笑ってみせると｢本当か？｣と顔を近づけられる。
その距離に驚いて座る位置を少し後ろにして座り直した。
｢しいて言えば元の時代に戻りたいってことかな。でも、言っても仕方のないことだし、それにツナくんを焦らせちゃうでしょ？｣
｢だからツナくんには内緒ね｣と笑うと、諦めてくれたのか顔を離した。
｢……オレの部屋さ、日記が置いてあって｣
急に変わった話題に若干の戸惑いと安堵が入り混じる。
なんだなんだと思いながら相槌を打つと山本くんは言葉を続けた。
｢自分のだからいっかって思って読んだんだけど、この時代の小村、少し前にいなくなったって書いてあって｣
｢……うん｣
｢で、この時代のオレすげー後悔したって書いてあったんだ。隠し事してんの気付いてたのに、無理矢理にでも聞いてやるべきだったって｣
リボーンくんの言っていたとおり、私は隠し通せてなかったようだ。
もっと上手くやっていたら心配かけずにすんだのに。
｢小村さ、嘘つく時のクセ自覚してないだろ？｣
｢えっ……｣
クセ？
嘘をつく時に無意識のうちに何かしてしまっていたのか。
｢……はったりでしょ？ 私、本当に隠しごとなんてしてないのに｣
｢酷いよ｣と笑うと山本くんは顔を歪ませた。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
