１３５話 ページ38
突然、京子ちゃんとハルちゃんの悲鳴が耳を劈いた。
｢僕チン……デイジー……｣
振り返ると二人をビアンキさんが庇うように立っていて、その前には不気味な雰囲気を醸し出す、うさぎのぬいぐるみを持った少年がいた。
｢これ……あげる｣
京子ちゃんの前に差し出された一輪の花は枯れてボロボロになっている。
優しく吹いたそよ風に崩れた花は茎しか残っていない。
｢ハハンッ。スイマセンね、ちょっと目を離したスキに。デイジーはあなたたちのように美しく……滅びゆくものに目がないんです｣
ブルーベルちゃんを止めた桔梗さんが今度はデイジーさんを止めた。
彼がデイジーさんの首に手を回した時血を吐き出したように見えたがデイジーさんは大丈夫なのだろうか。
敵なのだから大丈夫でないのであればそれはそれで助かるのだけれど。
｢あらら。こっちもそっちも雪は出番なしか。せっかく作ってきたのに残念だな｣
白蘭さんの声に思わず肩が跳ね、おそるおそる視線を向けると、｢ねっ、Aチャン？｣と笑顔を浮かべていた。
呼ばれた名前は確かに私のものなのに、彼が向いている方向は私ではなくてフードを深々と被っている人の方。
その人の肩を掴んでぐっと引き寄せた時、急に吹いてきた風がその人のフードを剥がしていった。
隠されていた顔が露になった時、私は呼吸を忘れてしまっていた。
雷に撃たれたような衝撃とはまさに、こんな時に使うのだろう。
――フードの中から出てきた自分の顔を見て、私は目を見開くことしかできなかった。
｢言ったじゃない、サプライズを用意しておくって。それがこの子｣
理解が追いつかないのは皆も同じらしく、誰も何も口にしない。
体感数十秒の、実際には数秒程度でしかない沈黙を破ったのは焦りに満ちた入江さんの声だった。
｢人工降雪計画のクローンは歩行すら困難だったはずだ！ なのにどうして！｣
｢簡単だよ正チャン。この子は僕の方で計画とは関係なく作っていた子だからさ。まあ、作り出すための方法なんかは正チャンが提出してくれた資料を元にしてるから半分は君の手柄なんだけどね｣
言葉を詰まらせて苦虫を噛み潰したような顔をする入江さん。
事情を知っている人は皆俯き、知らない人は唖然としている。
「サプライズ、成功したみたいでよかったよ」
ニコリと、今度は
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
