１１１話 ページ14
十字路に集まった私たちが次に行った場所は並盛中だった。
１０年間増築も改築もされずに、私たちの時代のそれと変わらぬまま並盛中はそこに建っていた。
２−Ａ。
私たちが一緒になったクラス。
私は三日間だが京子ちゃんたちは既に一週間学校を休んでいた。
｢なつかしー！｣と声を上げるのもうなずける。
｢この角度だと寝てても気づかれねーんだよな｣
｢オレはそんなことしなくても教師に一発ガンくれてやりゃ寝れたけどな｣
山本くんに謎の張合いをする獄寺くん。
寝ない、という選択肢を出してから話をしたらどうかと心の中で呆れる。
けれど、一瞬だけ元の時代に戻ったような気分になって、私たちは笑った。
＊ ＊ ＊
｢なんかものすごく真剣ですね……｣
｢話しかけられる雰囲気じゃないね｣
入江正一がいるというメローネ基地。
そこはほとんど何も無く、あるのはよく分からない白い装置と、僅かに残ったコンクリートの地面、そこに置かれる三台のベッド。
あとは底の見えない大きな空洞だった。
｢どっちが入江正一……さんなの？｣
影から覗くようにして見ていた私たちには二人の男性が見えていた。
ひとりは大きな眼鏡をして、もうひとりは棒付きキャンディーのようなものを咥えて金髪をしている。
｢あの眼鏡の人だよ。もう一人はスパナって言うんだ｣
｢へえ……｣
スパナ……確か関係者リストにあった名前だ。
メローネ基地に配属されていると書いてあったから覚えていたけれど、こんな所で会うなんて。
｢お弁当、置いていこっか｣
｢そうですね｣
気付く様子はなく、話しかけられる雰囲気でもない。
京子ちゃんの提案にハルちゃんは賛同し、誰もそれに反対しなかった。
帰ろうという話の流れになった時、私は｢聞きたいことがあるから先に帰ってて｣と伝えた。
｢お弁当も気付かなかったら困るし、ね？｣
大きな瞳を見合わせてぱちくりと数回瞬きしあった京子ちゃんとハルちゃんは笑顔をこちらに向ける。
｢気を付けて帰ってきてね｣
｢お夕飯はハルたちで作るので心配無用です｣
八つの背中を見送って、私は今一度頭の中を整理した。
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小学7年生(プロフ) - モナ子さん» ありがとうございます！楽しんでいただけたようで何よりです(^-^) 頑張ります、ありがとうございます！！ (2020年9月24日 19時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
モナ子 - 面白すぎて一気に読んじゃいました！番外編最高すぎます…( ・∇・) こういうのって大体キャラ崩壊してるのに作者様のキャラはキャラのままで尊敬します！これからも頑張ってください！ (2020年9月23日 21時) (レス) id: 2a3f107de3 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - めろさん» めろ様、コメントありがとうございます。大変お待たせしましたがこの度連載再開させていただきます。もしよろしければ暇つぶし程度にお使いください。作者の体調まで気にしてくださり感謝致します。めろ様も十分お気をつけくださいませ。 (2020年8月22日 20時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
めろ - 久しぶりにずっと楽しんで読めれる作品に出会ったので更新停止とても悲しいです（ ; _ ; ）書き直しの更新楽しみにまってます、世界情勢も大変な状況なのでお体にお気をつけてくださいね。 (2020年8月10日 14時) (レス) id: afb9e59317 (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - トツキさん» トツキ様、コメントありがとうございます。そんなことを言っていただけてとても光栄です。できるだけ早めに更新出来るよう書き直しを進めさせていただきますので、お待ちいただけると嬉しいです。 (2020年5月26日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学7年生 | 作成日時：2020年5月2日 20時
