４３話 ページ45
ナイフを武器にするベルフェゴールさんに防戦一方だった獄寺くんは、相手がナイフだけではなくワイヤーも扱う二刀流だということを見抜いた。
修行で方向転換するボムを使いこなせるようになった彼は、初めてベルフェゴールさんに攻撃を当てることができた。
爆撃をくらって血を流したベルフェゴールさんは雰囲気を一変させてその凶暴さを増した。
少しの隙も見せない相手だったけど、修行で新技を身につけた獄寺くんの方が、“常に攻撃の核となり休むことのない怒涛の嵐”として相応しかった。
獄寺くんが相手のリングに手をかける。
｢勝つのオレっ！｣
突然ベルフェゴールさんは起き上がって獄寺くんの首にかかるリングに手を伸ばした。
｢ってめえ！｣
ふたりとも出血が酷く、かなりふらついていて床で揉み合うことしか出来ない。
ゴロゴロと床を転がるふたりをよそに、ハリケーンタービンが爆発を始めて１５分が経過したことを知らせる。
｢リングを敵に渡して引き上げろ隼人！｣
一緒にモニターを見ていた保健医のシャマル先生が未だ取っ組み合いを続ける獄寺くんに声をかけた。
｢こんなもんでくたばるなんてバカげてる！ 戻れ！｣
｢ふざけんな！ オレが負けてみろ、１勝３敗じゃもう後がねえ。致命的敗北なんだ！｣
｢手ぶらでは戻れない｣｢これで戻ったら１０代目の右腕の名がすたれる｣獄寺くんはそんなことを気にして引けずにいた。
(そんなこと……じゃないのか)
口癖のように“右腕”と言っている獄寺くんはこの勝負にかなり強い思いで臨んでいたんだ。
気持ちが少しも理解できない訳じゃない。
けれど、優先順位を間違っている。
｢死んじゃったら、もうツナくんの傍にいることすら出来なくなっちゃうんだよ！？｣
本当に死んでしまうかもしれない。
そう思ったら涙が溢れていた。
｢これくらいオレが……！｣
相変わらず私の声は彼には届かない。
｢獄寺！｣
｢タコヘッド、戻ってこい！｣
｢隼人！｣
山本くんの声も、先輩の声も、先生の声も。
｢ここは死んでも引き下がれねえ！｣
私たちの声は、彼の心に少しも響かない。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
