１話 ページ3
なんて昨日まで考えていた私は春休みが明けた今日四月八日、張り出されていたクラス分けを見て絶句した。
イタリアからの帰国子女、獄寺隼人くん。
ずば抜けた運動神経を誇る野球部期待の星、山本武くん。
一年生の頃から学校一の美少女と称されている笹川京子ちゃん。
そして、勝手に私から羨望の眼差しを向けられている沢田綱吉くん。
その四人が今年は同じクラスだった。
クラスを決める際にはどのクラスも学力の平均が同じくらいになるようにするとか、孤立する人間ができないようにある程度仲のいい人たちを離れないようにするとか、ピアノを弾ける人が一人はいるようにするとか。
嘘か誠かはさておき私の知る限りはいろんな説がある。
しかしこれはその他の作為的な何かを感じずにはいられない。
「また同じクラス！あよろしくね！」
固まっている私に声をかけてきたのは去年も同じクラスだった内藤ロンシャンくん。
とても変わった子で、彼の周りには三人の生徒が張り付くようにいつも一緒にいる。
そして、なぜか私は春休み二週間前くらいから彼に話しかけられるようになった。
「あっ、うん。よろしくね」
悪い人ではないのは一年間同じクラスだったから分かっている。
それでも、彼のような
ひねくれすぎかなと考えていると、黙り込んでどこかそわそわしだす内藤くん。
無言の間に気まずさを覚え、適当に視線を動かせば、人混みに沢田くんの姿を見つけた。
大勢の中から友人ですらない彼を見つけるなんて、これではまるで恋する乙女ではないか。
私のそれは羨望であって恋心ではない。
「先に教室行くね。また後で」
過ぎった少女漫画的な思考を振り払い、私は内藤くんに別れを告げる。
すると彼はとんでもないことを大声で口にした。
「好きです！あオレと付き合ってください！」
内藤くんの周りにいつもいる三人がどこからか紙吹雪を取り出して私と彼との間に舞わせている。
私たちを除く生徒からは冷やかしの声と黄色い女子の声。
突然のことに状況がすぐには飲み込めなかった。
確かに、主人公になりたいとは思ったけれど。
「これはただの悪目立ち……」
零れた小さな独り言は誰かの耳に届くことなく、暖かな春の空気に溶けた。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
