９話 ページ11
そして花火が始まる数分前、私たちは教えて貰った場所へと足を運んだ。
「おーい」
「ツナさーん」
長い石階段を登った先、小さな神社の前にある芝生の上に沢田くんたちは座っていた。
登りきってからすぐにヒュルルルと独特の音を響かせながら花火が打ち上げられた。
綺麗に大きく咲いた花火を見ながら沢田くんの隣に腰をかけ、私は話を切り出した。
「リボーンくんてさ」
こちらを向けて首を傾げる沢田くん。
その目には打ち上がる花火が微かに反射して映っている。
「何者？」
沢田くんはただでさえ大きい瞳をこれでもかと見開いた。
体育座りのまま虫のように手足を動かしてせかせかと後退していき、少し後ろにいた山本くんにぶつかったことで再び戻ってきた。
「な、何者ってどういうこと？」
「え、いや深い意味はないけど」
冗談のつもりというか、話を面白おかしくする為に変な言い回しをすることを沢田くんはあまりしないのだろうか。
まあいいか、と話を本題に戻す。
「見た目は赤ちゃんなのに上手な日本語を話すし、だけど名前は日本人ぽくないし、それにいっつもおもちゃの銃を持ち歩いてるし。なんか不思議な子だなあって」
「な、なんだ、そういうことか」
そういうこと。
他に意味はあるのか。
いまいち言葉の意味を汲み取ることができなかった私は首を傾げた。
「リボーンは見ての通り赤ん坊だよ。周りよりちょっと大人びてるけど、そう装ってるだけでまだまだガキぐはっ」
「足が滑っちまった」
沢田くんが言い終える前にリボーンくんの飛び蹴りが彼の頬にクリーンヒットした。
「気になるのは分かるけどな、他人にコソコソ聞くのは感心しねえ。気になることがあるなら本人に直接聞け」
「あ、うん。……ごめんね？」
リボーンくんに一喝されてなんとなくで謝った。
ニヤリと笑ったリボーンくんはやっぱりただの赤ちゃんには見えない。
威圧感を感じるような、有無を言わせない空気を纏っているような。
──なんて、赤ちゃん相手に情けない。
「分かればいい。ま、答えるとは限らねーけどな」
緊張した空気を最初に割ってきたのは山本くんだった。
「小僧、何の話だ？」
「あ、てめえ、またリボーンさんに馴れ馴れしくしやがって……俺にも教えてください」
「今のすごかったね！」
「大きかったです！」
「いってて、何すんだよリボーン！」
皆が一斉に喋りだしたことで、私の問いは有耶無耶に終わった。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
