３５話 ページ37
再び、今度は右拳をルッスーリアさんの左膝にお見舞するが、右腕までも血を吹き出した。
これでは勝負の続行は不可能に近い。
「お兄ちゃん……？」
「きょ……京子ちゃん！？」
「花ちゃんも！」
そんな中、唐突にここにいるはずのないふたりの姿が。
ふたりはコロネロくんを探しに来ていたため、ここに案内したと家光さんが言った。
「あらまあ、あなたこの坊やの妹なの？ お兄ちゃんはねえ、私との戦いに敗れて殺されるのよ」
何ひとつ隠すことなく京子ちゃんに全てを話すルッスーリアさん。
嫌だ。
たとえ負けても殺させるなんて絶対させない。
そう言おうとした時、京子ちゃんが叱るように僅かに怒気を含んだ声で先に喋りだした。
「お兄ちゃんやめて……！ ケンカはしないって約束したのに！」
京子ちゃんはこれが普通のケンカだと思っているようだ。
血まみれの兄を見て楽観的すぎる結論を出したのはさすがと言うべきか。
ここぞとばかりに発揮される天然発言に言葉が出なかった。
「……ああ、確かに額を割られた時……もうケンカはしないと約束した……」
そういえばと先輩の左の眉尻あたりの傷を思い出す。
あれはくだんの件の傷跡かもしれない。
「だがこうも言ったはずだ……。負けんと……！」
とてつもなく顔色が悪い。
脱水症状に加えて出血だって多いのだから当たり前だ。
先輩はきっと最後の力を振り絞って立った。
ボクシングの構えをして相手に向かって走る。
「
左膝に命中した先輩の拳は相手の膝に埋め込まれているという鉄鋼を粉砕した。
そのまま床に落ちたルッスーリアさんは初めて表情を変えた。
「さあ、リングを渡してくれ」
先輩の言葉に、怯えるように拒否を見せるルッスーリアさん。
どこか焦っているようにも見える。
次の瞬間、ルッスーリアさんは背中から血を撒き散らして倒れ込んだ。
しかし笹川先輩は攻撃はしていない。
ルッスーリアさんの背にいたのはリング外の……彼の味方であるはずのヴァリアー。
「弱者は消す。これがヴァリアーが常に最強の部隊である所以の一つだ」
「弱者は……消す……？」
かろうじて私の耳に届いたツナくんの声はとても弱々しかった。
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小学7年生(プロフ) - 雛。さん» 雛。様、コメントありがとうございます！そのコメントが嬉しいです〜！！ちまちま更新しますので今後ともよろしくお願いします！ (2021年12月8日 18時) (
レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 加筆嬉しいです。ありがとうございます (2021年12月8日 8時) (レス) @page11 id: 9ec0000aae (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 弥冬さん» ありがとうございます！ これからもニヤニヤしながら読んでいただけるよう頑張ります！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
小学7年生(プロフ) - 霧菜☆紗理屋さん» そう言って頂けて本当に嬉しいです！ これからも読んでくださると嬉しいです！！ (2020年4月14日 14時) (レス) id: f875b378db (このIDを非表示/違反報告)
弥冬(プロフ) - 面白くてニヤニヤが止まりません！応援してます (2020年4月14日 0時) (レス) id: 0c4007c939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小学７年生 | 作成日時：2020年4月13日 11時
