もう1冊の友人帳 (ページ4)

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夏目とAは苦しそうに息をしながら走っていた

夏目(“何やってんだ”か…)

貴方「あれが見えないなんて羨ましいわ…」

夏目「そうだな…」

走りながら後ろを振り返った

妖１「待てぇ！」

木の中から現れたのは髪が長い一つ目の巨大な妖
２人は妖の姿を見ると走るスピードを速くする

貴方(私と貴志は小さな頃から時々変なものを見た
それは恐らく妖怪と言われるものの類
元々良い気はして無かったんだけど…
ここに引っ越して来てから何かと絡んでくる妖がいて困ってる…
そういう時は神社にでも逃げ込んでしまえば…っ)

ガッ
神社が見えてきて嬉しく感じた瞬間、大きな手にAと夏目の体が掴まれた
そして体は木の幹に体を打ち付けた

妖１「あぁっ捕まえた
やっと捕まえたぞレイコ！綾子！」

夏目(レイコ…？)

貴方(綾子…？)

妖１「さぁ返せさぁ！さぁぁぁ！」

妖２「待て」

巨大な妖を止めたのは別の妖だった

妖２「まぁ待てお前の名前が呼ばれては厄介だ
名前を呼べないよう舌を抜いてしまおう」

妖１「舌を？」

グググッ
夏目とAの体を締め付けていく

貴方「……っ」

夏目「…っいってぇ！Aを離せ！」

ゲシッ
あまりの苦しさに夏目は足で妖の目玉を蹴った

妖１「グァッ！痛いぃぃぃぃぃ！！」

妖は目を押さえ、痛みにもがく

夏目「A！」

自由になった夏目はAの手を引いて神社へと向かって走り出した

妖１「痛いぃぃぃぃぃ」

妖２「バカ！逃げたぞ！」

夏目「A もうちょっとだから頑張れ！」

貴方「えぇ…っ」

妖１「痛いぃぃぃぃぃぃ」

妖２「己…っ」

夏目とAは手を繋いだまま走り続けていた

貴方・夏目((どうして…いつも…見たくて見てる訳じゃないのに…っ))