【mlslslp】はじめまして。鬼先生。【armht】

先生　8。 ページ9

『………げ。』


あろま「…ん、どうした？」


折角あろまさんと楽しくおさんぽなのに。
滅多に無いのに。


なんでこのアホ先輩はこういう時に限って滅多にしてこない電話をかけてくるのだろうか。
はぁ、と溜め息をついて、あろまさんに説明する。


あろまさんは良いよ、出な。と言ってくれたので。
半分キレ気味に電話に出た。



『なんですか…私今知り合いと出掛けてるんですけど。』


「いやー。代わりにMC入って……」


『誰が入るか！！！』


この先輩には別にキレても大丈夫。
だって、親戚なんだもん。


だからって、この人も親戚使い荒いっすよね。
何かあったら聞いてくるっすよね。考えろや、こっちの事情。



『この前だって臨時で出たべ！？んじゃあ！！』


ブチッ、と強引に通話を切る。
ひげさんに頼めやひげさんに。


私はスマホを鞄に直すと、あろまさんを見た。
あろまさんはびっくりした顔で私を見ている。



………ん"ん"、何かありました？



あろま「……蛍って、道民？」


『………えっ、』


バッッと口を抑える。
そう言えばさっきキレて北海道弁出てたな…。


こーくんの頃が今だに染み付いてて怖いや…。
と、内心苦笑。



『いやー、昔少し北海道に居ましてね。それでなんかスルッと口走っちゃうっていうか……。』


あはは、と笑うとそう。とあろまさんはさほど興味の無さそうに前を向いた。
うん、これがあろまさんだ。と納得してしまう私は結構ダメダメなのだろう。



あろま「……そろそろ昼飯食べるか。蛍は、何が良い？」


『……うーん、私はあろまさんのオススメので！！』


笑って私が答えると、あろまさんはニッと笑い、


あろま「わかってんじゃねーか。俺、お前みたいなヤツ嫌いじゃねーな。……いくぞ、蛍」


と、言うと私の頭をぐしゃぐしゃとかきまわすように撫でる。
髪がぐしゃぐしゃになった事も気にせず、私は笑ってあろまさんを追いかける。




そんな事より、嬉しかった。
すっごく、すっごく頭を乱暴にも撫でてくれたのが嬉しかった。






『でっ、どこいきますか！？』


あろま「楽しみにしとけ。」


見上げたあろまさんの横顔は微笑んでいる。
そんな彼を見て、私もとっても嬉しくなった。







……ここから、私のあろまさんへの恋が始まっていたんだろうけど。
生憎、その時の私はそんな事を微塵も思っていなかった。

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