【実iｼ兄i者】どうにかしてください。【fj】

幼馴染み　3。 ページ3

『………えーっと、久しぶり？フジくん』

「うん、久しぶり！変わってないね可愛いまんま」


そんな言葉を投げ掛けるフジくんに私の顔は何度赤くなっただろうか。
こいつなんか女慣れしてそう…


取り合えずあのままフジくんに連れられ喫茶店までやってきたのは良いものの、未だに『東京』という場所に興味を示す私にとって、このお洒落な喫茶店は場違いな訳で。


『…フ、フジくん？ここから出ようか』

「ん？あれ、もう早速家に帰るの？まだ俺合鍵作って無いんだけど」

『……は？』


爆弾発言を平然と放つフジくんに私の頭は一瞬にして停止する。いや、これしてしまわない方が可笑しいよね！？


『あの、えっ、ちょっ、フジく』

「あ、すみませーん、コーヒーとパンケーキ１つ」

『えっ、』


俺の奢りだから。と笑顔を見せるフジくんに、普通の人ならやれ爽やかだとか、やれ紳士だとか言うんだろう。

けれど、私はこの意味の分からない状況に顔をひきつらせる事しか出来ない。
一体、何がどうなっているのか教えてください。


＊＊＊


『…えっと、本当に奢りで良いの？』

「うん、パンケーキ好きでしょ？食べて食べて」

『フジくんありがとう！』


運ばれてきたパンケーキは予想外にお洒落な上に美味しそうだったので。
悪いと思ったがフジくんは笑顔で食べて。と言ってくれる。

それじゃあお言葉に甘えようじゃないですか！
笑顔でお礼を言った私に、顔を真っ赤にしたのはフジくんだった。


「…あー、駄目だ、好きだなぁ」

『？フジくん、どうしたの？』


ボソリ、と何か呟いた彼だがそんな言葉も聞こえる筈がなく。
私が尋ねると彼は笑って首を横に振った。

『あ、良いよこれ食べる？』

「はっ！？い、いやそういう事じゃなく、て…」


顔を真っ赤にしてしどろもどろになるフジくんを面白いと思いながらもフォークを差し出す。しばらく固まったフジくんだったが、何かに負けたのか一口だけとパンケーキを口に運んだ。


「…んまい」

『ふふ、でしょー？』

笑顔の私につられてフジくんも笑顔になる。うん、私はこの笑顔も大好きだな。


「この前さ、友達と10段パンケーキ作ったんだよね」

『うん、』

「そしたら薄いヤツができてさ！」

『うん、』

それでも嬉しそうに話出すフジくんに私は相槌を打ちながらパンケーキを食べ進める。
あれ、この話どこかで聞いた事あったぞ？と頭をフル回転させるとそういえばこの前最俺さんが似たような事やってたっけ。

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