【実iｼ兄i者】過去の君と、未来の私。【ky】

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「ねぇ、Aちゃんっ……て、本当に大丈夫！！！！？」


ほろり、気づけば頬に涙が伝う。
おかしな話だ、考えてみれば。会った事もない女に優しくする筈が無い。


もし優しくしたのなら、いろんな詐欺に会う大馬鹿者だろう。
私は何を期待したんだろう。そもそも、期待する私も馬鹿なんだ。


何も喋らないまま泣く私に、三人は焦った様に声をかけたり、背中を撫でたりしてくれる。
その優しさが酷く痛くて。


「アイツもAちゃんが来るの、楽しみにしてたんだ…！今はちょっと機嫌が悪いのか……いや、多分緊張してたんだって！！」

ごめんな、アイツには言っておくから。
困ったような、怒ったような。そんな目をしたこーすけくんはしっかりと私を見てそう言ってくれた。
いや、でもこーすけくん。


『キヨ “ さん „ に、怒らないであげて。』


「…えっ、なんで？じゃないと……」


『何も考えないで来た私が悪いの。ごめんなさい、もうちょっと考えて来たら良かったね』


始まる前に慌てて見学にしてもらっちゃったし。
苦笑すると、こーすけくんはそれはしょうがない事だ、とフォローしてくれるけど。


なんだかんだで、私は彼らに迷惑をかけたのだ。

だから彼も、怒ったのでしょう？
そんな人じゃ無い、と分かっていても。
拒絶された後の自分の醜い心では。

そんな思いをしっかりと信じ込める勇気は、とてもと言って私には無くて。


＊＊＊
[キヨside.]


「………って、何言ってんだよ…俺」


部屋を出た後、口に手を当て呟く。
あんな事、思ってもないのに。


何を話そうか、迷ってしまって。
フジに話をふられてAが俺を見た時、その考えが俺の頭の中でヒートアップした様に暴れ出した。

焦りまくって、最終的に出た言葉。
しかも繰り返し言ってしまった。


泣かせて無いだろうか。だって、傷ついた顔、してたし。
自分が言った言葉でそうしたのに、痛いくらいに動悸がする。



ごめん、こんな事しか言えなくて。
本当は笑ってほしいんだ。



「俺だって、ずっと話したかった…………





＿＿＿＿＿3年越しの、夢なんだ。」



お願い、だから。
最悪な話だけど。







不器用な俺を、嫌いにならないで。

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