標準語講座17 ページ18
角名「柏木はどこ住んでんの?」
A「うち?うちは…」
そう言って柏木が駅名を告げる。
角名「あ、じゃあ俺おんなじ電車だ」
ラッキー。定期使える。するとちょうど良いタイミングで電車がホームに入ってくる。俺達は電車に乗った。
A「あ、あのな角名くん」
電車を降りて彼女を家まで送る途中、柏木が唐突に口を開いた。
A「標準語、教えてくれへん?」
角名「またか」
A「お願い!うちどうしても覚えたいねん!!」
彼女はそんなにテレビの中の有名人のタイプになりたいのだろうか。なったとしてどうするのだろうか。そして俺は必死に頼む彼女に最低な一言を言ってしまった。
角名「別に標準語覚えたって付き合えるわけ無いじゃん」
A「へ………?」
角名「あ」
一瞬何を言われたのかわからず柏木が黙り込む。そして、数秒間をあけ何を言われたのかを理解したようだ。みるみるうちに彼女の目に涙が溜まる。
角名「ごめ」
A「もうええ。角名くん送ってくれておおきに」
そう言って彼女は俺に背を向け走り出した。
角名「最低じゃん。俺」
嫉妬していたのだ。彼女がキラキラとした目で語る、テレビの中の有名人に。柏木が走り去った方を見ると、そこに彼女の姿は無くただ星だけが皮肉げに瞬いていた。
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結心(プロフ) - ピコさん» ありがとうございますうううm(_ _)mこれは作者の処女作なんですよね…色々と至らない点がありましたがそう思っていただけたなら幸いです。近々角名くんにリトライしたいと思っておりますので、そちらも読んでいただけたら歓喜の極みですm(_ _)m (2019年8月15日 17時) (レス) id: 329f25863c (このIDを非表示/違反報告)
ピコ - 作品面白いです! 角名くん好きなのでいくらでも読める! (2019年8月15日 15時) (レス) id: 2211f8ea8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結心 | 作成日時:2019年4月23日 17時