クセ ページ22
それから放課後になり、私はカルマくんや赤司くん達と共に帰路についていた。
赤司くんとカルマくんはたまに、意見の食い違いから、衝突はしていたけど……。
「鷲沼っち、赤司っちが怖くないんスか?」
「なんで?」
「赤ちん、怒ると俺らの意見は聞いてくれないんだよね〜」
「そーそ!んでも、鷲沼っちが言うと……」
「涼太。ジュースを買ってきてくれ。30分先のコンビニで」
「えっ!?俺だけ!?」
「お前が目立っているからな」
「うわ、酷っ!……とりあえず、コーヒーで良いスか?」
「ああ」
「あ、ならアイスはダメか?」
赤司くんと黄瀬くんの会話に、青峰くんが口を開く。
私とカルマくんは、その言葉に目を見開いた。
「アイスって、30分先のコンビニで買ったら溶けちゃうよ」
「でも、今食いたくなったんだよな……」
「今食べたいって……」
「あ、お菓子食べ終えちゃった……誰か持ってない?」
「食べ過ぎなのだよ、紫原」
「確かに、給食も食べているのに、不思議です」
緑間くんが言うと、黒子くんの声がする。
振り返ると、渚くんのそばにいた。
渚くんの手にはメモ帳。
「渚くん。何してるの?」
「この際だから、みんなの弱点とかクセをメモしようかなって」
「それ、殺せんせーだけじゃなかった?ターゲットなんだし」
「う……でも、みんなのクセを把握すれば、色々とやりやすく……」
「なるわけないでしょ。それを指摘したところで、簡単になるとは限らない。その人のやりやすいクセとかもあるんだし……」
私はそこまで言って、目を見開いた。
渚くんを見ると、顔を俯かせてしまっている。
私は渚くんから少し離れた。
「……でも……私達はアスリートとか本当の暗殺者じゃない。アマチュアなら……クセが直る確率はマシかもね」
「!鷲沼、それって!」
「じゃあ、私はこっちだから。また明日教室でね」
渚くんの言葉を遮る形で私は分かれ道の方へと行く。
ちょうど同じ方角なのか、赤司くんと黒子くんも同じだ。
でも……あれ?
「赤司くん、コーヒーは良いの?」
「問題ないよ。涼太達は僕の家を知っている。遅くなったら明日はペナルティを課すまでだ」
「お、俺……ダッシュで買ってくるっス!」
黄瀬くんはそう言うと、走っていく。
私は苦笑するしかなかったが、赤司くんはため息をついた。
それから私達は完全に分かれ、更に分かれようかってところで黄瀬くんが追いつき、コーヒーに免じてペナルティは免除となった。
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年12月30日 15時