Q14:質問攻め ページ15
Aさんside.
赤司くんに嘘は言ってない。
倉庫から出てきて、足元にあったボールに気づかず、つまずいて転んだ。
「つっ!」
「あ、すみません。捻挫ですかね?」
「か、観察しながら触らないで……本当に痛い……」
私は呟きながら、赤司くんの髪に触れた。
その髪からは優しい匂いがする。
「先輩?」
「あ……ごめん。って、それよりも着替えて、教室行かないと……」
私がそう言うと、「先輩は手当をしてください」と言われた。
理由を聞くと、放課後に痛みが続いてたら大変だからと。
確かにそうだけど……。
「今日は私、ベンチスタートだよ?」
「そうなんですか?」
「うん。私、元2軍だから……レギュラーになって、すぐにスタメンってわけじゃないんだ」
私がそう呟くと赤司くんは、口元に手を添える。
今度はなんだろう?
赤司くんを見ていると、なんかこう……弟がいるような気分になる。
(いや、私はいないけど……いたらこんな感じなのかな?)
そう思っていると、予鈴が鳴って私は赤司くんに付き添われて教室へ向かった。
後輩に付き添ってもらったせいなのか、赤司くんがイケメンだからなのか、しばらく質問攻めにされた……。
あまりにもいたたまれなくて、教室を出て保健室へ行くと、事情を話して、休ませてもらうことになったのは言うまでもない。
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作者名:アマユリ | 作成日時:2021年11月20日 16時