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櫻井先輩が、
くしゃっとした笑顔で
私の頭を撫でる。
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まるで、小さい子を慰めるような手つきで。
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「・・せんぱっ・・」
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そんな事が、やけに恥ずかしくて
やめて貰おうと声を掛ける・・
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ちょっと前に、櫻井先輩から静止する。
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櫻井先輩の手が止まったのを感じたと同時に
ﾎｰﾑﾙｰﾑ終了のﾁｬｲﾑの高い音が響く。
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翔「ﾁｬｲﾑ鳴っちゃったね？・・そろそろ出ようか。」
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そう言って、
扉を開けて
背中に回される先輩の腕は、
沢山の女の子に同じようにしてきたんだろうな
って程に、自然だった。
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生徒会室を出たとき
櫻井先輩は、表向きの好い顔に変わっていて、
にっこり爽やかに笑い、
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"正門まで送るよ"
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そう言って、私の横を並んで歩いた。
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階段を下りて行き、
先輩たちの教室の階に来たとき
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「ありがとうございます」
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聞き慣れた、可愛らしい声が聞こえる。
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隣を歩く先輩も気がついたようで、
翔「あれ・・、ﾊﾙｶちゃん？」
なんて言って、その声の方へ足を進めた。
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もちろん、あれはﾊﾙｶの独り言な訳ではないから
相手が居るはず。
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その相手を逸早く見つけた櫻井先輩は
私の隣で、その人の名を呼ぶ。
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翔「ニノ！ニノも居たの？」
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嬉しそうに、カズにぃの元へ駆け寄る。
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和也「あれ、何で一緒なの？」
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その言葉に、ドキンとしてカズにぃの方を見ると、
目が・・笑ってない。
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翔「んー、楽しい事してた。・・ね？」
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って、意地悪く言うから、
思い出して、一気に耳まで燃える様に熱くなる。
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和也「ふーん。」
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私から、すぐに目を逸らし
興味無さそうに返事をする。
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ﾊﾙｶ「二宮先輩、ｸｯｷｰまた食べて貰えますか？」
華奢で、小さくて、可愛らしいﾊﾙｶ。
カズにぃに向かって小首を傾げる。
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和也「いいの？めっちゃウマかったから、嬉しいよ。」
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そう言って、ﾊﾙｶに優しく微笑むカズにぃを見て
胸がちくんとした。
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何を思ってか
隣に居る櫻井先輩が
咄嗟に、私の手をきゅっと握った。
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ラッキーアイテム
革ベルト
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作成日時：2012年3月11日 14時
