SOLEIL from EXILE TRIBE - 3 -

2日目が終わる ページ28

……白濱亜嵐







撮影がはじまる1時間前





なかなか控え室から出てこないイユを

迎えに部屋に入った







？


何してんだ？







ドレッサーの前で、

手をついて俯くイユ







ノックをしたけど、

俺には気づいてないっぽい






亜「 …イ、ユ？ 」






横から覗こうとしたら







『 大丈夫、… 大丈夫、』








イヤホンをしたまま、



口から 自己暗示のように呟かれる言葉







ひとつ




またひとつと目から落ちる涙







その涙を吸い取り、

シミができる







破れた







私服







亜「っ、イユｯ、…！！」





『 ｯ 、！？ 』






そっと手に触れたら


また

バッと怯えたように


振りほどかれた








『 ぁ、っ、… ごめん、どうしたの？ 』







ぐっと目元を拭って


ふわりと笑った








亜「 イユ、その服 … なに？ 」




『 …これ？ ちょっと勢い余って笑 』




亜「 泣きそうじゃん 」




『 歌、聞いてたら安心しちゃって 』







情けないね

ふふっと笑ってコードを結ぶ



おい







亜「 イユ、こっち向いて 」



『 んー？ 』







なんで、


1度も 目を合わせようとしねぇんだよ





俺の眼差しに、

困ったように眉を下げた







亜「 誰にやられた 」



『 あらん、 』






触れた指先は




妙に冷たくて

その感度に驚いて








『 … もう、いいの


終わるから 』








お仕事、いこう？




その温度みたいに



冷たく、

どこか距離のある笑み





ぎゅっと


俺の心臓が



苦しい音を立てた






俺じゃ、力にはなれない？





……

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