Shiny nails

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「みや ちょっとお茶しない？」

MV撮影の合間に中途半端に時間が空いたから宮田を誘って近くの喫茶店に入った

あんまり人もいなくって昔ながらの喫茶店て感じの雰囲気がなかなか良い

「アイスコーヒーにしようかな」

宮田を見ればメニュー表とにらめっこをしている

朝からの撮影で何時に終わるのかもわからない
このゆったりとした時間が流れる感じが眠気を誘ってくる

何気なく店内を見渡せば
俺達の隣の隣の席でマスク姿の女性が真剣な瞳でスケッチブックに色鉛筆を握る手を忙しなく動かしていた


あ...

ああいう目 好みだな
少し色素が薄めで切れ長な目


その視線に気付いた宮田が

「あれはネイリストさんだねデザインしてるんじゃない？俺の姉ちゃんもやってるよ」

小さな声で教えてくれた

へえ なるほどね

指先が綺麗なターコイズブルーで俺の好きな海のようだった

注文したアイスコーヒーが２つ運ばれてきて
それを半分程口に入れたところでマネージャーから連絡が入った

「にか 早く戻れってさ」

なんだよ まだ飲み終わっていないのに

渋々椅子から立ち上がると

マスクの彼女はマスクをしたままストローを口につけて飲めない事に気付いたのか目をまんまるくして

その失敗を誰かに見られていないだろうかという様に目と首を左右に動かした


ぶッッ
笑える


見ていたのがバレない様に顔を横向きにして反らした

会計を済ませた宮田が急かすから
あとちょっとで目以外を見れるかなというところだったのに


残念だったな

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