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お師匠さんと鰹のたたき ページ23

この話を書くにあたって、鏡花ちゃんは二日ほど意識がなかったとしておきます。
ご理解ください。

____________________


・・・お前が全身ズタズタで探偵社に運びこまれるたび、どれだけ心配したか。
鍛錬の度に軽くなっているのを、何度ちゃんと食えといったか。無理をするなと叱って、喧嘩になるたびにどう謝ろうと考え続けたか。

そんなの、お前が無事に帰って来られたらの話に過ぎないのに。


国木田は、業務中にはあり得ない事に、手を止めて考えていた。




Aは、川べりに倒れているのを与謝野先生が見つけてくれた。
その場の適切な治療により死にはしなかったが、国木田は与謝野先生に呼び出された。

「Aは、どっか切れかかっちまってるよ。」

「・・・どっか、とは?」

「見てみな。」

寝台に上体を起こしているAは、国木田や与謝野先生の方を見ようともせずにあらぬ方向を見ている。
普段見舞いに来た時には「失敗してしまって・・・」だの「でも、今回はあとちょっとだったんですよ!?」といってくるのに。

「これ、は。」

「『何か』あったんだろうね。あいにくこういうのは妾の専門じゃない、あんたが適任だと思ってね。」


それから一日が過ぎた。
Aは、少しはモノに関心を向けるようになったが、やはり人に無反応だ。

谷崎兄妹が見舞った時には林檎をむいて食べていた。
乱歩さんが見舞った時には壁のシミを数えていた。
社長が見舞った時には鶴を折っていた。
賢治が見舞った時には毛布をあたまからかぶっていた。

一貫しない行動だが、人と対話をしていないという共通点がある。



こちらに興味を向ける必要があるらしい。



「こういうのには、いっしょに食事するのが良い」といっていた賢治の助言にしたがい、外に何か食べに行くか。



考えのまとまった国木田は席を立つ。


サボテンの水やりをしていた名探偵は、「うまくいきゃいいけど」と呟いた。

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メイデーア - 初コメ失礼します!この作品めっちゃおもろいですね。ちな、私は夢主ちゃん大好きなんで如月さんは嫌いサイドです。すんません。中也さんに何故如月さんを好きになったのかとか聞いてみたいです★ (4月6日 20時) (レス) @page34 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
タピオカパン(プロフ) - うっす、タピオカパンです。この度なぜか作品ページに飛べなくなったので、別名義で再ログインしました。ご迷惑おかけして申し訳ありません (2020年8月6日 14時) (レス) id: cfe55cf157 (このIDを非表示/違反報告)
タピオカパン(プロフ) - Yukiさん» コメントありがとうございます!見てくれるだけでも励みになりますので、お気になさらず!・・・でも登録してくれるとうれぴーです! (2020年6月28日 11時) (レス) id: cfe55cf157 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 面白いです!ログイン出来ないのでお気に入り登録できないんです(´;ω;`)更新待ってます!応援してます! (2020年6月28日 1時) (レス) id: f9f48108ec (このIDを非表示/違反報告)
タピオカパン(プロフ) - 鮎さん» ありがとうございます!たまに生存確認してやってください(-ω-)/ (2020年6月21日 15時) (レス) id: cfe55cf157 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タピオカパン | 作成日時:2019年9月20日 15時

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