出逢い━━━千と千尋の神隠し━━━ (ページ5)

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手当てページ5

次に、顔の怪我をみた

まず、顔回りの汗や汚れを拭き、綿で傷を消毒し、絆創膏を張った

ときどき、少年の眉毛がぴくりと動いた

━━━消毒がしみるのかな……我慢してね……

ほかには膝小僧を擦りむいていたり、足を怪我していた

すべての治療が終わり、時計をみると、もう５時だった

Aは疲れて、少年のすぐ横に椅子を持ってきて、少し寝てしまった

「うっっっっ」

という声でAは目覚めた

みると、少年が目覚めていた

「待って、動かないで！！」

というと、少年はおとなしくなった

「そなたは………」

「私？私はA」

「そなたが助けてくれたのか……？」

「ん、まぁね」

「そうか……すまない……ありがとう…」

「ううん、あなたは？」

「私の名はハクだ」

「ハクねわかった」

「ここは……どこだ……？」

「私の部屋だよ」

「私は……早く行かなければ……」

「待って、その怪我で動いては駄目！安静にしていなきゃ……」

「でも……」

Aはじっとハクと名のる少年の、目を見つめた

「お願い……」

「わかった……」

「さっ、もう少し寝てて！大丈夫。ここにいるから」

「ありがとう……そうさせてもらうよ……」

ハクはそう言うと、目を閉じた

それから三時間後、本来ならAは塾に行かなければならない時間になった

家の鍵が開く音がした

━━━お母さんが、帰ってきたな……

Aは一階に降りていった

Aの母はAの姿をみると、

「どうしてここにいるの？塾は？」

と聞いてきた

Aは

「お母さん、ごめんなさい実は……」

と今までの経緯を話した

「だから……お願い……ハクの世話はすべて私がやる。その分の勉強もハクが元気になったら取り戻す。だから、ハクをここにいさせて……」

と言った

Aの母は

「わかったわ、しっかりやるのよ」

と言い、ハクの様子をみた

「これ全部あなたが手当てしたの？」

「うん」

「そう、良くできてるわ。これならすぐ良くなるわ」

と言った

「目が覚めたらなにか食べさせてあげなさい」

そう言うと、部屋を出ていった